母親が薄毛の場合、娘に遺伝しますか?

薄毛の原因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、女性の体内にも存在する、還元酵素「5αリダクターゼ」と男性ホルモン「テストステロン」が結合することで生成され、抜け毛などの症状を引き起こします。

そして、この5αリダクターゼは遺伝する可能性が高いとされています。そのため、家族で薄毛の方がいる場合は、女性の場合であっても予防の検討が必要です。

ただし、薄毛の原因には生活習慣や環境といった後天的な要因も大きく影響するため、遺伝だけで薄毛の進行が決まるわけではないのです。

一卵性双生児の研究

小山太郎医師が行った研究では、一卵性双生児11組を対象にAGA(男性型脱毛症)に関する調査が行われました。この研究は、一卵性双生児がまったく同じ遺伝子を持っていることを利用して、薄毛の進行における遺伝と環境の影響を明らかにするものでした。理論的には、薄毛が完全に遺伝によるものであれば、双子の薄毛の進行状況も一致するはずです。

しかし、調査の結果、AGAを発症している11組の双子のうち、5組は初診時点ですでに毛髪の量に違いが見られました。さらに、治療を開始した後の1年間でも、5組の双子に進行速度の差が確認されました。このことから、薄毛は遺伝だけでなく、生活環境や習慣などの外的要因が大きく影響することが示されています。
女性の薄毛の場合も同様で、遺伝的な要素だけでなく、ホルモンバランスの変化や生活習慣が原因となることが分かっています。家族内では、同じ食生活やライフスタイルを共有することが多いため、毛髪の状態が似てくる場合もあるようです。

女性の薄毛の原因についてさらに詳しく知りたい場合は、「女性に多い薄毛・脱毛症の原因」をご覧ください。

生活習慣が薄毛に与える影響

食生活の乱れや睡眠不足、過度なストレスなどの生活習慣も薄毛に大きく影響を与える問題です。不規則な食事や偏った栄養バランスは髪の健康を損ね、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を低下させます。また、ストレスはホルモンバランスや血流に悪影響を与え、薄毛の進行を加速させる要因となります。

さらに、喫煙や肥満といった健康状態の乱れも薄毛を進行させる要因のひとつです。

生活習慣が薄毛に与える影響についてさらに詳しく知りたい場合は、「女性に多い薄毛・脱毛症の原因」をご覧ください。

薄毛を防ぐための対策

薄毛の進行を防ぐには、日々の生活習慣や環境を見直し、毛髪が健康に育つための土台を作ることが大切です。血行を促進する運動習慣を身につけ、健康的な食事を摂ることで、血流を改善し新陳代謝を高めるだけでなく、薄毛のリスクを軽減できます。

薄毛を防ぐための対策についてさらに詳しく知りたい場合は、「女性の薄毛・脱毛症を予防・改善するためのアプローチ」をご覧ください。