
この記事では、亜鉛と薄毛の関係について解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状や治療法については必ず医師の診察を受けてください。効果には個人差があります。
女性が亜鉛不足になりやすい理由
月経による栄養素の消失
女性は月経により定期的に鉄分と共に亜鉛も失われるとされています。特に月経量が多い方は、亜鉛不足のリスクが高まります。
また、鉄分不足を補おうとして鉄分サプリメントを摂取する際、亜鉛の吸収が阻害される場合があるため注意が必要です。
妊娠・授乳期の需要増加
妊娠中や授乳中は、胎児や乳児の成長のために母体の亜鉛需要が大幅に増加するとされています。
この時期に亜鉛が不足すると、産後の抜け毛がより深刻になる可能性があります。
ダイエットによる栄養不足
極端な食事制限や偏った食事は、亜鉛を含む必要な栄養素の不足を招くおそれがあります。
特に肉類を避けるダイエットでは、亜鉛の主要な供給源を失う可能性があります。
更年期におけるホルモン変化
更年期になるとエストロゲンの分泌が減少し、亜鉛の需要が変化するとされています。
この時期の亜鉛不足は、薄毛だけでなく肌や爪の健康にも影響を与える可能性があります。
亜鉛不足になるとどうなる?
亜鉛が不足すると、以下のような症状が起こる可能性があるとされています。
- 味がわかりにくくなる:食べ物の味を感じる力が落ちる
- 肌荒れ・皮膚トラブル:皮膚炎が起きやすくなる
- お腹を壊しやすくなる:慢性的な下痢になる
- 病気にかかりやすくなる:免疫力が下がり、風邪などをひきやすくなる
- 子どもの成長が遅れる:身長や体の発達に影響が出る
- 性的な発達の遅れ:思春期の体の発達に問題が生じる
日本では、点滴や経管栄養を長期間使っている患者さんや、亜鉛が少ない母乳で育った赤ちゃんで、これらの症状が報告されています。
参照:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)
女性の亜鉛摂取量の目安
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、各年代の女性に推奨される1日の亜鉛摂取量は以下の通りです。
【女性に推奨される1日あたりの亜鉛摂取量】
| 年齢 | 推奨量 (mg/日) |
|---|---|
| 18~29歳 | 7.5 |
| 30〜49歳 | 8.0 |
| 50~64歳 | 8.0 |
| 65~74歳 | 7.5 |
| 75歳以上 | 7.0 |
参照:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)
不足した亜鉛の補い方
亜鉛を多く含む代表的な食品は、以下の表の通りです。
【亜鉛を多く含む食品の例】
| 食品 | 亜鉛の含有量(100gあたり) |
|---|---|
| <貝類> かき くん製油漬缶詰 | 25.0mg |
| こむぎ [その他] 小麦はいが | 16.0mg |
| <貝類> かき 養殖 生 | 14.0mg |
| <畜肉類> うし [加工品] ビーフジャーキー | 8.8mg |
| <魚類> (さば類) ごまさば さば節 | 8.4mg |
| かぼちゃ いり 味付け | 7.7mg |
| <畜肉類> うし [ひき肉] 焼き | 7.6mg |
| <牛乳及び乳製品> (チーズ類) ナチュラルチーズ パルメザン | 7.3mg |
| <魚類> (いわし類) かたくちいわし 煮干し | 7.2mg |
| <コーヒー・ココア類> ココア ピュアココア | 7.0mg |
| まいたけ 乾 | 6.9mg |
参照:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
女性におすすめの亜鉛が摂取できる食品
- 牡蠣(生・缶詰): 生牡蠣なら2〜3個で1日の推奨量をクリアできます。缶詰なら手軽に料理に取り入れられ、パスタやサラダのトッピングとしても活用できます。
- 煮干し: 出汁を取るだけでなく、そのまま食べることでも亜鉛を摂取できます。カルシウムも豊富で、女性に不足しがちな栄養素を同時に補えます。
- ピュアココア: 飲み物として手軽に摂取できます。
- 牛ひき肉: 普段の料理に取り入れやすく、ハンバーグやミートソース、そぼろなど様々な料理に活用できます。鉄分も豊富です。
- パルメザンチーズ: 少量でも亜鉛を摂取でき、パスタやサラダ、スープなどの風味付けに最適です。カルシウムも豊富で、女性に不足しがちな栄養素を同時に補えます。
- 乾燥まいたけ: 水で戻して炊き込みご飯や煮物に使ったり、粉末状にしてスープやみそ汁に加えたりと、手軽に日常の食事に取り入れられます。
- 亜鉛サプリメント: 食事からの摂取が難しい場合は、亜鉛サプリメントを活用するのも一つの方法です。調理の手間がなく、忙しい日常でも継続しやすいのがメリットです。
避けるべき組み合わせ
- カフェインやタンニン: コーヒー、緑茶、紅茶、ココアなどと亜鉛の同時摂取は避け、時間をずらすことをお勧めします。
- 食物繊維: 食物繊維、特にフィチン酸を含む食品(全粒穀物、豆類など)は亜鉛の吸収を阻害する可能性があるとされています。
- 食品添加物: ポリリン酸をはじめとする食品添加物は、亜鉛の吸収を阻害する可能性があるとされています。
- アルコール: アルコールには利尿作用があるため、亜鉛も排出が増える可能性があります。
当院の取り扱いのある亜鉛の栄養補助食品(サプリメント)
当院では主成分に亜鉛を配合した栄養補助食品(サプリメント)としてDr.Zinc(亜鉛)を取り扱っています。
詳しくは「Dr.Zinc(亜鉛)」をあわせてご覧ください。
※本品は栄養補助食品(サプリメント)であり、医薬品ではありません。
Dr.AGAクリニック池袋院院長
- 2001年 防衛医科大学医学部卒業
- 2001年 防衛医科大学校病院
- 2003年 自衛隊阪神病院
- 2007年 自衛隊呉病院
- 2008年 西埼玉中央病院 などを経て
- 2024年 Dr.AGAクリニック池袋院院長 就任
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