産後抜け毛がひどい場合の対策とは?FAGAとの関連性や見分け方も解説

産後抜け毛とは?

産後抜け毛(産後脱毛症・分娩後脱毛症)は、出産後、ホルモンバランスの急激な変化によって一時的に髪が抜けやすくなる状態です。妊娠・出産に伴うホルモン変化が主な原因となります。

産後抜け毛の特徴

  • 発症時期:産後2〜6ヶ月頃に始まる
  • 抜け毛の量:1日200〜300本程度(通常の2〜3倍)
  • 抜け毛の部位:生え際、頭頂部、側頭部など全体的
  • 回復期間:通常は数ヶ月から1年ほどで自然に回復
  • 髪質の変化:一時的に髪が細くなることがある

産後抜け毛のメカニズム

妊娠中

  • エストロゲン(女性ホルモン)の増加により髪の成長期が延長
  • 本来抜けるはずの髪が抜けずに維持される
  • 髪全体のボリュームが増加

産後

  • エストロゲンの急激な減少
  • 妊娠中に抜けなかった髪が一気に休止期に入る
  • 大量の抜け毛が発生

産後抜け毛とFAGAの関連性

1. ホルモン変化

産後抜け毛FAGA(女性男性型脱毛症)は、どちらもホルモン変化が関係しています。

  • 産後:エストロゲンの急激な減少により一時的な抜け毛
  • FAGA:女性ホルモンが優勢な女性でも、男性ホルモンの影響を受けて発症することが多い

2. 産後抜け毛をきっかけとしたFAGAの顕在化

産後のホルモン変化は、潜在的にFAGAの素因を持つ女性において、症状を顕在化させる引き金となることがあります。

  • 産後抜け毛の期間中にFAGAが併発
  • 産後抜け毛が落ち着いた後もFAGAによる薄毛が継続
  • 出産を重ねるたびにFAGAが進行

3. 回復パターンの違い

正常な産後抜け毛

  • 通常は数ヶ月から1年ほどで自然に回復
  • 髪のボリュームが妊娠前の状態に戻る

FAGAを併発している場合

  • 産後1年を過ぎても薄毛が継続
  • 徐々に髪が細くなり、ボリュームが減少し続ける
  • 生え際の後退や頭頂部の薄毛が目立つ

産後抜け毛とFAGAの見分け方

産後抜け毛の可能性が高い場合

  • 産後2〜6ヶ月の時期に該当
  • 抜け毛が全体的で、特定部位に集中していない
  • 抜けた髪の毛根が正常(白い球状)
  • 産後6ヶ月頃から徐々に改善傾向
  • 家族にFAGAの既往歴がない

FAGAの可能性が高い場合

  • 産後1年を過ぎても抜け毛が続いている
  • 頭頂部や分け目の薄毛が目立つ
  • 髪が細くなり、コシがなくなった
  • 生え際が後退している
  • 母親や祖母に薄毛の既往歴がある
  • 出産前から薄毛傾向があった

年代別の注意点

20代後半〜30代前半

初産年齢が高くなる傾向にあり、この時期の出産では産後抜け毛とFAGAの判別が特に重要です。遺伝的素因がある場合、出産をきっかけにFAGAが早期発症する可能性があります。

30代後半〜40代

女性ホルモンの自然な減少が始まる時期のため、産後抜け毛の回復が遅くなったり、FAGAが併発しやすくなったります。特に経産婦の場合、出産のたびに薄毛が進行する傾向があります。

40代以降

更年期が近づくにつれ、産後抜け毛の回復力が低下し、FAGAのリスクも高まります。この年代での出産後は、より慎重な経過観察が必要です。

産後抜け毛がひどい場合の対策

栄養バランスの改善

産後の体力回復と髪の健康のため、以下の栄養素を積極的に摂取しましょう:

  • タンパク質:髪の毛はその80~90%がタンパク質で構成されており、そのうちの大部分がケラチンから作られています。
  • 鉄分:血液の重要な成分であるヘモグロビンの生成に関わり、頭皮への酸素や栄養の供給を助けます。
  • 亜鉛:髪の主成分であるケラチンを生成する上で重要な役割を果たし、ヘアサイクルを整え、FAGAの進行を抑制する効果が期待できます。
  • ビタミンB群:髪の主成分であるケラチン合成や細胞の新陳代謝を促進します。
  • 葉酸:赤血球を作る材料となります。赤血球は酸素や栄養素を全身に運ぶ役割を持っているため、髪の毛の健康にも影響を与えます。

生活習慣の改善

  • 適度な運動:運動により血行が改善されることで、毛母細胞の活動が活発化し、太くて健康な髪の成長が促進されます。
  • 質の良い睡眠:睡眠中、特に深い眠りに入っている時間帯に、成長ホルモンが活発に分泌されます。
  • ストレス管理:ストレスによる交感神経の活性化は、皮脂腺や汗腺の働きを刺激し、皮脂の過剰分泌を引き起こします。

サプリメントの活用

食事だけでは不足しがちな栄養素については、サプリメントの活用も一つの方法です。

当院でも独自に開発した「Dr.Zinc(亜鉛)」や「Dr.Vitamin(ビタミン)」のほか、女性の薄毛治療薬として代表的なパントガールの主成分であるパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)とケラチンに加えて、コロストラム、馬プラセンタを配合した「プラレディ」の摂取をお勧めしています。

婦人科に相談する

上記の方法を試しても、産後抜け毛が改善しない場合は、専門的な治療が必要なケースが考えられます。

前述の通り、産後抜け毛の原因は、ホルモン変化によるところが大きいため、まずは婦人科を受診して、症状に合わせた正しい治療を受けましょう。

婦人科での治療で産後抜け毛が改善しない場合は、当院の各種サービスでご相談ください

婦人科を受診したものの、産後抜け毛が改善しない場合は、すでにFAGAを発症している可能性がありますので、当院の無料カウンセリングでご相談いただくことをおすすめいたします。

また、当院では、ご来院の際にカウンセリングの中で患者様の疑問や質問にお答えしております。

  • 睡眠改善相談サービスでは、産後抜け毛対策にも関係する寝不足と薄毛の関係、薄毛・抜け毛対策として睡眠の質を高めるポイントなど、FAGAに関係する睡眠改善について重要な知識をお伝えしております。
  • 食事改善相談サービスでは、産後抜け毛対策にも関係する食べ物・栄養素、薄毛の進行につながる食べ物・飲酒・喫煙など、FAGAに関係する食事改善について重要な知識をお伝えしております。とくに女性に不足しがちな鉄分や亜鉛などの栄養素についても詳しくアドバイスいたします。
  • 運動改善相談サービスでは、産後抜け毛対策におすすめの運動など、FAGAに関係する運動改善について重要な知識をお伝えしております。

ぜひお気軽にご相談ください。