女性の薄毛 FAGA(女性男性型脱毛症)とは

FAGA(女性男性型脱毛症)とは

FAGA(女性男性型脱毛症)とは、”Female Androgenetic Alopecia”の略称で、女性に特有の進行性の薄毛を指します。

FPHL(女性型脱毛症)とは

FPHL(女性型脱毛症)とは、”Female Pattern Hair Loss”の略称で、女性の薄毛全般を指す総称です。FAGAはFPHLの一種といえます。

FAGAによる女性の薄毛の特徴

FAGAは、髪全体が徐々に薄くなっていくのが特徴です。特に頭頂部や分け目でボリュームが減少し薄毛が目立つようになりますが、額の生え際は比較的保たれることが多いです。一般的にFAGAの発症年齢は40歳以降が多く、特に閉経を迎える前後でホルモンバランスの変化が起こりやすくなるため、これがFAGAの進行を後押しする場合があります。

FAGAの進行パターン

症状の進行度合いに応じて、ルードヴィヒ分類(Ludwig Classification scale)のⅠ型~Ⅲ型に区分されます。

Ⅰ型

頭頂部周辺の髪の毛を中心に、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりします。髪のボリュームには大きな変化が見られないため、この段階では気づきにくいことが多いです。

Ⅱ型

Ⅰ型よりも脱毛の範囲が広がり、地肌が目立つようになります。正面から見たボリュームはまだ保たれているため、本人は気づきにくい場合もありますが、部分的には地肌が見えることもあります。

Ⅲ型

頭部の正面から生え際が後退し始め、FAGAに似た外見となります。薄毛が客観的にもはっきり分かるようになります。

以上のように、FAGAの進行性です。気になったらすぐに診断を受け、現状を知ることが大切です。

FAGAの原因とは?

FAGAの主な原因は、女性ホルモン遺伝環境的要因の3つに大別できます。これらの要因が複雑に関与することで、FAGAが進行すると考えられています。

①女性ホルモン:エストロゲンの減少とジヒドロテストステロン(DHT)

女性の体内にも男性ホルモン(テストステロン)が存在し、5αリダクターゼという酵素と結合してジヒドロテストステロン(DHT)が生成されます。通常は女性ホルモン(エストロゲン)がジヒドロテストステロン(DHT)の影響を抑制していますが、エストロゲンが減少すると相対的にジヒドロテストステロン(DHT)の影響が強まります。

現在の医学的理解では、エストロゲンの減少とジヒドロテストステロン(DHT)の相対的な影響増大がFAGAの発症に関与していると考えられています。

  1. 加齢や更年期によりエストロゲンが減少
  2. 相対的にジヒドロテストステロン(DHT)の影響が強くなる
  3. ジヒドロテストステロン(DHT)が毛乳頭細胞のアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)と結合
  4. 脱毛シグナル(TGF-βなど)が産生される
  5. 毛母細胞の活動が抑制される
  6. ヘアサイクルの成長期が短縮する

②遺伝

FAGAの発症には、遺伝的要因が関与します。主な遺伝要因は以下の2つです。

  • 5αリダクターゼの活性度:ジヒドロテストステロン(DHT)の分泌量は、5αリダクターゼの量に関連することが知られており、この量は遺伝的影響を受けるとされています。
  • 男性ホルモン受容体の感受性:男性ホルモン受容体のジヒドロテストステロン(DHT)に対する感度(感受性)が高い場合、脱毛信号が出やすくなる可能性があります。この感受性も遺伝的要因が関与するとされています。

家族歴がある場合、特に母親や祖母に薄毛の傾向がある場合は、FAGAを発症するリスクが高くなる可能性があります。

③環境的要因(FAGAに影響を与える可能性のあるもの)

FAGAの原因は女性ホルモンと遺伝が主要因ですが、環境的要因も影響を与える可能性があると考えられています。

女性は特に、ライフイベントや生活習慣の変化がホルモンバランスに影響しやすく、それがFAGAの発症や進行に関与することがあります。

FAGA発症に影響を与える可能性のある環境的要因には、以下のようなものが挙げられます。

  • 食生活の乱れ
  • 飲酒習慣
  • 喫煙習慣
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • 慢性的なストレス
  • 過度なダイエットによる栄養不足
  • 出産によるホルモン変化
  • 誤ったヘアケア習慣

上記のような環境的要因は、FAGAの発症や進行の要因になり得るため、注意しましょう。

FAGAかも……と思ったら、FAGAセルフチェック

進行度合いには個人差が大きいため、自己判断は難しい場合があります。

「もしかしてFAGAかも……」と思われた場合は、当院のFAGAセルフチェックをお試しください。

※セルフチェックはあくまで目安です。FAGAの可能性が指摘された場合は、当院で専門医による適切な診察を受けることをお勧めいたします。

FAGA診断における医師の診察プロセス

FAGAセルフチェックで気になる結果が出た場合、専門医による詳細な診察を受けることが重要です。医師は問診・視診・触診を通じて患者様の症状を総合的に把握し、適切な治療方針を決定します。

問診(もんしん)

  • 家族歴の確認:両親や祖父母に薄毛の方がいるかを聞き取り
  • 発症時期と進行状況:いつ頃から薄毛が気になり始めたか、どのように進行しているかを確認
  • 生活習慣の聞き取り:食生活、睡眠、ストレス、喫煙・飲酒習慣などを調査
  • 既往歴・服用薬の確認:他の病気や服用中の薬がFAGAに影響していないかをチェック
  • 症状の自覚度合い:患者様がどの程度薄毛を気にしているかを把握

視診(ししん)

  • 頭部全体の観察:額の生え際、頭頂部、側頭部、後頭部の毛髪状態を確認
  • 毛髪の質の評価:髪の太さ、コシ、密度、色合いなどを観察
  • 脱毛パターンの判定:Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型のどのパターンに該当するかを診断
  • 頭皮の状態チェック:頭皮の色、炎症の有無、皮脂の分泌状況などを確認

触診(しょくしん)

  • 頭皮の柔軟性確認:頭皮が硬くなっていないか、血行状態は良好かを手で触れて確認
  • 毛髪の引っ張り検査:軽く髪を引っ張り、抜けやすさや毛根の状態を調べる
  • 頭皮の厚みチェック:頭皮の厚さや弾力性を手で触れて確認
  • 毛穴の状態確認:毛穴の詰まりや炎症がないかを調べる

FAGAは早期診断と早めの治療開始が重要です!

FAGA治療において、早期診断と早めの治療開始が重要とされるのには明確な理由があります。それは、髪の毛を健康な状態に戻せるかどうかが、治療開始のタイミングに大きく左右されるからです。

薄毛を放置しておくと、毛根は次第に弱まり、最終的には完全に活動を停止してしまいます。つまり毛包が著しく萎縮した状態になります。この段階まで進行すると、治療による改善が困難になります。

しかし、FAGAが進行し始めた初期段階であれば、毛根はまだ生きています。

この時期にアルダクトンスピロノラクトンによる治療を行うことで、男性ホルモン受容体への結合を阻害し、また薄毛の主な原因物質である「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成も抑制することで、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスを調整し、FAGAの進行抑制効果が期待できます。

早めの治療開始の3つのメリット

早めの治療開始には以下のような3つのメリットもあります。

  • 進行の抑制:FAGAの進行スピードは人それぞれですが、早めに治療を開始することで、薄毛の進行を食い止め、将来の髪の状態を良好に維持できる場合があります。
  • 心理的負担の軽減:髪が極端に薄くなる前に対策することで、外見への不安や日常生活におけるストレスを軽減できる可能性があります。
  • 経済的負担の軽減:症状が軽いうちに治療を開始する場合、治療期間が短く済む可能性があり、結果として費用を抑えられる場合があります。

「最近、髪が薄くなってきたかも…」と感じたら、まずはできるだけ早く専門医に相談することをお勧めします。特に、家族に薄毛の人がいる場合は、遺伝的な影響も考えられるため、早めの治療開始が大切です。

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ご来院から治療までの流れ

以下の動画でご説明しています。

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詳しい説明はこちらの記事「女性の薄毛治療の流れ」をご参考ください。