女性の薄毛・脱毛症を予防・改善するアプローチ

現状を把握する

抜け毛の量

健康なヘアサイクルでは1日に50〜100本程度の抜け毛が発生しますが、これを超える抜け毛が数ヶ月続く場合は注意が必要です。毛根が細くなっていたり、毛が短いまま抜け落ちていたりする場合は、専門的な診断を受けることを検討してください。

生理中の脱毛

生理前後はホルモンバランスの変化により、抜け毛が増えやすくなります。この現象には、主に2種類の女性ホルモンが関わっています。

まず、生理前に分泌が増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、妊娠をサポートする役割を持つ一方で、皮脂の分泌も促進します。この過剰な皮脂が頭皮に溜まると、毛穴が詰まって頭皮環境が悪化し、抜け毛が増えてしまいます。

また、もう一つの女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)は、生理前後に減少して、幸福感をもたらす神経伝達物質セロトニンの低下を引き起こします。これにより、精神的なストレスや自律神経の乱れが生じ、血流が悪化して頭皮に十分な栄養が届かなくなることで、抜け毛が増えてしまいます。

身体疾患の確認

薄毛や脱毛症の原因が身体の内部に隠れている場合もあります。とくに内科疾患や婦人科疾患が関係するケースも多いため、必要に応じて医療機関での診察を受けることが大切です。疾患が見つかった場合は、まずその治療を優先し、体調を整えることが髪の健康にもつながります。

生活習慣の見直し

食生活の見直し

髪の主成分であるケラチンはタンパク質で構成されているため、十分なタンパク質の摂取が欠かせません。1食あたり手のひらサイズの120g程度のタンパク質を目安に、肉、魚、卵、大豆製品などを取り入れましょう。また、髪の成長に必要なエネルギー源として複合炭水化物も重要です。とくに食事の間隔が4時間以上空く場合は、全粒粉クラッカーや野菜スティックなど、ヘルシーな間食を心がけると良いでしょう。

髪の新陳代謝を促進するためには、ビタミンやミネラルの摂取も重要です。ビタミンC、ビタミンB12、鉄、亜鉛、セレンなどを含む食品を積極的に摂るようにしましょう。必要に応じてサプリメントを利用するのも良いですが、基本は健康的な食事から栄養を補給することを心がけてください。

身体を冷やさない

冷え性は血行不良を招き、抜け毛や薄毛の原因となります。毛根の毛母細胞は血液から供給される酸素や栄養をもとに生成されますが、冷えによる血流不足でこれらが十分に供給されないと、髪の成長が妨げられるのです。また、血行不良が頭皮の筋肉を硬直させ、血流を悪化させる悪循環に陥ることもあります。

十分な睡眠をとる

髪の成長は睡眠中に促進されます。成長ホルモンをより多く分泌させるためには十分な睡眠時間を確保することが第一です。理想は7~8時間ほど確保できるとよいでしょう。

かつて「ゴールデンタイム」と呼ばれる夜10時~深夜2時に成長ホルモンが分泌されやすいと考えられていましたが、この説に科学的根拠はありません。現在は「何時に寝たのか」よりも「どれだけ深く眠れたか」が重要視されています。

とくに入眠して最初のノンレム睡眠時にもっとも多く成長ホルモンが分泌されるといわれています。スムーズに深い眠りに入れるよう、寝る前の環境を整えておきましょう。

ストレスの管理

過度のストレスはホルモンバランスを崩し、薄毛の原因になることがあります。とくに自律神経の乱れは血行不良を引き起こし、毛根への栄養供給を妨げます。ストレスを解消するためには、趣味に時間を割いたり、深呼吸や瞑想といったリラクゼーションを取り入れたりするのも効果的です。

運動習慣の定着

運動は血行を促進し、毛根への栄養供給を助けます。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を日常的に取り入れるのが理想的です。忙しい日常の中で運動時間を確保するのが難しい場合は、「ながら運動」を活用しましょう。歯磨きをしながらスクワットをする、通勤でひと駅分多く歩く、階段を積極的に利用するなど、日常生活の中で運動量を増やす工夫をしてみてください。

頭皮ケアの見直し

ヘアケア製品の見直し

市販のシャンプーの中には「ラウリル硫酸ナトリウム」など洗浄力の強い成分が含まれているものがあります。これらは頭皮や髪に刺激を与え、乾燥やダメージを招くことがあります。アミノ酸系シャンプーなど低刺激な製品を選ぶと良いでしょう。

Dr.AGAクリニックオリジナルの「Dシャンプー」や「Dトリートメント」は、セットで利用すると効果的なヘアケア商品です。

優しい洗浄力で髪や頭皮へのダメージが少ないので毎日ストレスなくご使用いただけます。髪の表面を滑らかに整え、さらに水分の蒸発を防いで皮膚を柔軟にするため頭皮環境の改善にも期待できます。

正しいシャンプー方法

洗髪前にブラッシングをして髪の絡まりをほどき、頭皮の汚れを浮かせることから始めましょう。その後、36〜38℃程度のぬるま湯で髪と頭皮を予洗いし、汚れを軽く落とします。

シャンプーは手でしっかり泡立ててから使用し、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗います。髪同士をこすり合わせないよう注意し、頭皮を重点的にケアしましょう。洗い終わったら、シャンプーをしっかり洗い流し、頭皮に残らないようにします。濡れたまま放置せず、できるだけ早くドライヤーで乾かしてください。

ヘアケアの見直し

過度なヘアカラーやパーマは、繰り返すことで頭皮や髪に深刻なダメージを与え、薄毛や脱毛の原因となることがあります。カラー剤やパーマ剤には強い薬剤が含まれており、これが健康な頭皮に負担をかけ、髪の毛の質を悪化させるのです。また、ヘアエクステンション(エクステ)は毛根に過度な負担をかけるため、髪の毛が抜けたり、毛根が弱くなったりすることがあります。

過剰なヘアケアは髪や頭皮に負担をかけるため、適度に楽しむことが大切です。

頭皮の保湿とマッサージ

頭皮の乾燥は頭皮環境の悪化を招くため、適切な保湿が大切です。頭皮の水分と油分のバランスを整えることで、乾燥を防ぎ健康な頭皮を維持できます。保湿には、ローション、オイル、美容液、育毛剤などの専用製品が効果的です。

]頭皮専用ローションは水分補給と炎症抑制に優れています。さらに少量のオイルを併用することで水分蒸発を防ぎましょう。美容液は保湿効果に加え、育毛成分を含む製品もあり、頭皮ケアと育毛を同時にサポートできます。

血行を促進する頭皮マッサージは、髪の成長を助ける効果があります。お風呂上がりなどリラックスした時間に、指先を使って頭皮全体を軽く押すように行うのも効果的です。

頭皮のマッサージについてさらに詳しく知りたい場合は、「頭皮マッサージはしない方がいい?続けた結果、薄毛や白髪への効果は?」をご覧ください。

専門医の診断と薄毛治療

薄毛が進行している場合や、自己ケアで改善が難しい場合は、早めに専門医の診断を受けましょう。 Dr.AGAクリニックでは、患者様一人ひとりに合わせた治療計画を提供しています。

治療方法は内服薬処方が主で、その他に外用薬、施術(メソセラピー)、サプリメント、シャンプー・トリートメントなど症状に応じ組み合わせて行います。