
パントガールとは
パントガールとは、ドイツの製薬会社のメルツ社(Merz Pharma GmbH & Co. KGaA)が製造する、女性のびまん性脱毛症に対して使用される内服薬です。緑と白のカプセル状の製剤で、ビタミンB群やアミノ酸などの栄養成分を配合しています。
EU諸国では医薬品として承認されていますが、日本では未承認のため、医師の個人輸入により一部の医療機関で処方されています。
なお、本ページの情報は海外での研究報告に基づくものであり、日本人での有効性・安全性は確立されていません。使用をご検討の際は、必ず医師にご相談ください。
パントガールの主な配合成分
パントガールの主な配合成分は、以下の表の通りです。
成分名 | 作用 |
---|---|
パントテン酸カルシウム(ビタミンB5) | 毛髪・皮膚・神経組織の健康維持に関与するとされるビタミン |
チアミン(ビタミンB1) | エネルギー代謝に関与し、細胞の機能維持に必要な栄養素 |
薬用酵母 | ビタミン、アミノ酸、ミネラルなどを含む栄養補給成分 |
L-シスチン | 毛髪のケラチン形成に関与するアミノ酸 |
ケラチン | 毛髪や爪の主要構成タンパク質 |
パラアミノ安息香酸 | ビタミンB群の一種として知られる成分 |
パントガールに関する海外での研究報告
メルツ社の公表資料によると、以下のような研究が報告されています:
- Budde氏らの研究(1993年):72名を対象とした研究で、4ヶ月間の使用後に毛髪の成長期比率の変化が観察されたと報告
- Bergner氏の観察研究(1999年):1,194名を対象とした多施設共同研究で、3-6ヶ月使用後の医師と患者による評価を集計
- Finner氏によるメタ分析(2011年):11件の研究(計1,600名以上)を統合的に分析した報告
注意: これらは海外での研究であり、日本人を対象とした臨床試験ではありません。
パントガールの服用方法
製造元の指示では、1日3回、1回1カプセルを水またはぬるま湯で服用するとされています。熱に弱い成分が含まれるため、熱い飲み物での服用は避けることが推奨されています。
パントガールの副作用
海外の使用経験では、以下のような症状が報告されています:
- 頭痛
- 腹痛、下痢などの消化器症状
- めまい
- 動悸
- 胸やけ
これらの症状が現れた場合は、使用を中止し医師にご相談ください。
パントガールの使用を避けるべき方
- 配合成分にアレルギーのある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 18歳未満の方
- 同様の成分を含む製品を使用中の方
- スルホンアミド系薬剤を服用中の方(相互作用の可能性)
パントガールの個人輸入は避けましょう
パントガールは日本国内未承認医薬品のため、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
インターネット等での個人輸入には以下のリスクがあります:
- 偽造品や品質の保証されない製品のリスク
- 健康被害が生じた場合の救済制度の対象外
- 医師の診断なしでの使用による健康リスク
パントテン酸カルシウムを含む当院製品について
パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)は様々な製品に配合されています。
当院取扱い製品については、「プラレディ」のページをご覧ください。