ミノキシジルは、AGAの改善に適した治療薬といわれています。しかし、ミノキシジルの具体的な効果や副作用、安全性について疑問を持つ人もいるかもしれません。
そこで本記事では、ミノキシジルを使用することで得られる効果や使用方法、使用上の注意事項などについて解説します。なかなかAGA治療が進まない人や薄毛でお悩みの人は、ぜひ参考にしてみてください。
ミノキシジルとは
ミノキシジルとは、アメリカのファルマシア・アップジョン社(現在はファイザー株式会社)が開発した血圧降下剤です。1960年代に開発されたミノキシジルは、高血圧症患者の治療薬として使用されてきました。
しかし、ミノキシジルの臨床実験を行った結果、多毛症の副作用が判明してからは、薄毛治療用の治療薬として研究・開発され始めました。1980年代にはミノキシジル濃度2%の治療薬が開発され、現在ではAGA治療薬として90カ国以上で認可され、使用されています。
ミノキシジルの効果
AGA治療薬として知られているミノキシジルの効果は、主に以下の2つです。
- 発毛効果
- 育毛・脱毛抑制効果
それでは2つの効果を詳しく紹介していきます。
発毛効果
ミノキシジルは、発毛因子であるインスリン様成長因子1(IGF-1)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を促進する作用があります。
これらが髪の毛の成長に必要な毛母細胞を刺激して活性化させることで、発毛が促進されます。また、毛母細胞に対して酸素や栄養を送る毛乳頭細胞を増殖する作用も期待されているのです。
育毛・脱毛抑制効果
ミノキシジルには、髪の毛の成長に必要な毛母細胞を死滅させるアポトーシスを抑制する作用があります。アポトーシスを抑制することで、ヘアサイクルの成長期が延長し、育毛・脱毛抑制効果が期待できるでしょう。
ミノキシジルの効果はいつからでる?
ミノキシジルの効果は、使用してから3〜6ヶ月程度とされています。
効果が出るスピードには個人差があり、3ヶ月程度で効果が出る人もいれば、6ヶ月程度かかる人もいます。最低でも6ヶ月間、継続して使用し続けるとよいでしょう。
効果が感じられない場合、AGAではないなんらかの疾患にかかっていたり、ミノキシジルの効力が得られない体質だったりするケースがあります。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルには、発毛効果や育毛・脱毛抑制効果がある一方で、一定の副作用もあります。ミノキシジルを使用する際は、以下の副作用があることを把握しておきましょう。
- 初期脱毛
- 皮膚炎
- 動悸・息切れ
- 頭痛・めまい
- むくみ
- 多毛症
- 肝機能障害
- 心疾患
初期脱毛
初期脱毛とは、AGA治療の初期段階で生じる抜け毛の増加のことです。ミノキシジルを使用してから2〜8週間程度で起こる可能性があります。
ただし、初期脱毛は好転反応といわれるもので、古い髪の毛が頭皮の外へ押し出されることによって起きる現象です。もし初期脱毛が生じても、気にせず治療を継続しましょう。
皮膚炎
皮膚炎とは、さまざまな皮膚トラブルの総称で、主に以下のような症状があります。
発赤(ほっせき) | 皮膚や粘膜の一部が赤くなること |
落屑(らくせつ) | 乾燥した皮膚の表層が角質片となって、フケのようにはがれ落ちること |
そう痒感(そううようかん) | 発疹や湿疹がないのに、皮膚にかゆみが出ること |
毛包炎(もうほうえん) | 毛穴の奥にある毛根を包んでいる部分(毛包・毛嚢)に起こる炎症 |
皮膚トラブルが起こった場合は、速やかに皮膚科を受診し、専門医師に相談してください。
動悸・息切れ
ミノキシジルの血管拡張・血行促進作用の副作用により、動悸や息切れが起こる可能性があります。動悸や息切れが起こった場合は、専門の医療機関を受診し、専門医師に相談することをおすすめします。
また、すでに降圧剤を服用している人や、心臓に障害のある人がミノキシジルを服用する際には、事前に医師に相談しましょう。
頭痛・めまい
ミノキシジルの血管拡張作用で毛細血管が拡張すると、頭痛が生じる可能性があります。また、血流の低下によって血圧が著しく低下することで、めまいも併発する可能性があるでしょう。
少しでも頭痛やめまいを感じた場合は、専門医師に相談してください。
むくみ
むくみとは、皮膚や皮膚の下に水分が溜まった状態のことです。
ミノキシジルを使用すると、末梢血管が拡張し、中枢の血液量が低下します。血液量が低下すると、体内のセンサーがはたらき、血液を増やす作用が生じます。この作用により、血液が過剰に作られ、むくみの症状が発生する可能性があるのです。
むくみの症状がひどい場合は、速やかに医療機関を受診してください。
多毛症
多毛症とは、身体のあらゆる場所で体毛の量が増えることです。ミノキシジルを使用すると、髪の毛だけではなく、全身の体毛にも発毛効果がはたらきます。
多毛症は、ミノキシジルが作用して、治療に向かっている証拠でもあるため、ある程度は覚悟しておきましょう。また、体毛が気になる方は、他の治療法を試してみるのもおすすめです。
肝機能障害
肝機能障害とは、なんらかの原因で肝臓が障害を受け、炎症を起こしている状態のことです。
ミノキシジルは肝臓で代謝されるため、肝臓に負担がかかります。そのため、非常にまれですが、肝機能障害を起こし、重篤化すると肝不全に陥るケースがあります。
肝臓の異変は、自覚症状がほぼないまま進行します。定期的な健康診断での血液検査などで、肝臓の状態を確認しておくことが大切です。異常が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
心疾患
心疾患とは、心不全や不整脈、虚血性心疾患や心臓弁膜症などの心臓にかかわる疾患の総称です。
ミノキシジルの血管拡張作用によって、生じる可能性があるとされています。また、動悸や息切れ、頭痛やめまいなどの軽微な症状から、まれに重症化するケースもあります。これらの異変が続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。
ミノキシジルの服用方法
ミノキシジルには、内服薬を服用する方法と、薬を直接頭皮に塗布して使用する外用薬の2種類があります。それぞれの服用方法は、以下の通りです。
服用方法 | |
内服薬 | 毎日決まった時間に1日1回服用する。 |
外服薬 | 脱毛箇所に対して、1日1~2回塗布する。 |
以降でそれぞれ詳しく解説していきますので、ミノキシジルでの治療を検討している人は参考にしてみてください。
内服薬を服用する
内服薬は、体内の血中から効果を発揮するため、外用薬より効果が期待できるとされています。服用することで血管が拡張され、血行促進効果が期待でき、髪の成長因子の増加が期待できるでしょう。
内服薬を服用する際は、1日に1回服用してください。服用時間は指定されていませんが、毎日決まった時間に服用することが重要です。自身が服用しやすい時間帯を決め、最低6ヶ月は服用を継続しましょう。
外用薬を塗布する
外用薬は、薬を塗布した部分にのみ、発毛や育毛・脱毛抑制効果が得られるのが特徴です。有効成分であるミノキシジルが、皮膚の中に浸透して毛根に行き渡ることで効果を発揮します。
外用薬を使用する際は、1日1~2回、朝と夜、または夜のみ脱毛箇所に塗布してください。
特定の箇所に対し、集中的に治療を行いたい場合は、外用薬が適しているといえるでしょう。
ミノキシジルを服用する際の注意点
ミノキシジルを使用する際は、以下2つのことを注意しなければなりません。
- 禁忌事項を確認すること
- 服用前に必ずクリニックで相談すること
注意事項が守らないと副作用が出たり、期待した効果が得られなかったりする可能性があります。ミノキシジルを使用する際は、注意事項を必ず守りましょう。
禁忌事項を確認すること
禁忌事項とは、医薬品の添付文書に記載されている項目の1つで、併用してはいけない薬の情報などを記したものです。
たとえば、ミノキシジルの内服薬を服用中に特定の高血圧治療薬を服用している場合、降圧効果が余計に出てしまう可能性があります。このような事態を避けるためにも、ミノキシジルを服用前に禁忌事項を確認し、正しい服用方法を理解する必要があります。
服用前に必ずクリニックで相談すること
ミノキシジルは、必ず医療機関で処方されたものを服用しましょう。
まれに個人輸入できる通販サイトで購入できますが、偽物が出回っていることもあります。偽物を服用すると、健康被害が出たり、得られるはずの効果が得られなかったりする可能性があります。
このようなリスクを回避するためにも、ミノキシジルを使用する際は必ずクリニックに相談し、処方された薬の用法・用量を守って服用してください。
ミノキシジルの副作用が改善しないときの対処法
ミノキシジルを使用中、副作用が改善されない場合は、用法・用量が正しいかを確認してください。たとえば、過剰に薬を服用しすぎていたり、過剰に塗布したりすると、副作用も過剰に現れてしまいます。
用法・用量を確認して問題ないにもかかわらず、副作用が出続ける場合は、速やかに医療機関を受診してください。
めまいや頭痛、動悸や息切れなどの軽い症状であったとしても、長期間放置すると重篤化し、取り返しのつかないケースに発展する可能性があります。処方された際に医師から説明を受けた以上の異変を感じたら、迅速に専門医師に診てもらうようにしましょう。
ミノキシジルに関するよくある質問
最後に、ミノキシジルに関するよくある質問をまとめました。該当する内容がないか、確認しておきましょう。
Q.ミノキシジルは安全?
ミノキシジルの外用薬は、「医薬品医療機器等法」に則って、厚生労働省の認可を受けた薬です。そのため、安全性・有効性の高い薬といえるでしょう。
一方、ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット)は、国内の認可がおりていません(2023年6月現在)。ただし、未承認薬であるから違法というわけではなく、医師による診察を経て、起こりうる副作用の説明をきちんと行えば、処方することが認められています。
薬についてきちんと理解をしたうえで、使用するかどうかを検討しましょう。
Q.ミノキシジルが効かない人はいる?
人によって、有効成分であるミノキシジルが体質に合わない場合があります。そのような人は、効果が期待できないケースもあるでしょう。
Q.ミノキシジルの服用をやめるとどうなる?
服用を途中でやめると、抜け毛の状態が進行し、治療前の状態に戻る可能性があります。ミノキシジルは毎日継続して使用することで効果を発揮するものです。副作用に問題がなければ、継続して使用することで効果が得やすくなるでしょう。
Q.ミノキシジルの外用薬だけで効果は出る?
効果が出る可能性もありますが、内服薬に比べ、外用薬の方が効果の現れ方が薄いといわれています。より高い効果を得るためには、内服薬と外用薬を併用することがおすすめですが、治療法については必ず医師と相談のうえ、検討しましょう。
AGA治療は専門のクリニックに相談しよう
「ミノキシジルの治療薬を試してみたい」「AGA治療を受けてみたい」という方は、「Dr.AGAクリニック」にご相談ください。
「Dr.AGAクリニック」では、AGA専門医師が医学的根拠に基づいて治療を行います。また、院内の治療は完全個室で行われるため、プライバシーに配慮しながら治療に専念できるでしょう。
万が一、治療効果が得られなかった場合は、全額保証制度により、治療費が全額返金されます。
「AGA治療をしたいけど、期待する効果が得られるか不安…」
「信頼できるクリニックで治療に専念したい…」
「だれにもバレずにAGA治療したい…」
このような人は、「Dr.AGAクリニック」で治療を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ミノキシジルには、発毛効果や育毛効果、脱毛抑制効果が期待できます。使用する場合は、まずは医師に相談のうえ、用法・用量を守って使用しましょう。
また、使用する際は、ミノキシジルを服用することで起こり得る副作用を把握しておくこともおすすめします。
ミノキシジルによるAGA治療を試してみたいという場合は、AGA専門クリニックである「Dr.AGAクリニック」に、まずは相談してみましょう。
Dr.AGAクリニック総院長 坂口海雲
H21 大阪市立大学医学部 卒業
H23 大阪市立大学循環器内科 入局
H23 ベルランド総合病院
H24 川崎病院 臨床助教
H25 大阪市立大学病院
H28 福島吉野スマイル内科・循環器内科 開院
R2 Dr.AGAクリニック 総院長就任
コメント