「壮年性脱毛症はどのような症状なのか」
「壮年性脱毛症の原因を知りたい」
このような悩みや疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、壮年性脱毛症とAGAの違いや壮年性脱毛症の原因、壮年性脱毛症のセルフチェックの方法について詳しく解説します。
壮年性脱毛症とは
壮年性脱毛症とは、30代~40代の男性に多く見られる脱毛症のことをいいます。日本皮膚科学会ガイドライン2017年版によると、日本人男性の発症頻度は次のよう推移しています。
- 男性全年齢平均…約30%
- 30代…20%
- 40代…30%
- 50代以降…40数%
上記から、加齢とともに増加傾向にあるといえるでしょう。
壮年性脱毛症は額の生え際や頭頂部の髪が薄くなる特徴があり、放置すると症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。
壮年性脱毛症のメカニズム
壮年性脱毛症は、主に男性ホルモンの影響によりヘアサイクルの成長期が短くなることで、薄毛や抜け毛が起こります。
ヘアサイクルとは、髪が生えて抜け落ちてから再び生えてくる周期のことです。本来ヘアサイクルの「成長期」は2年~6年あり、通常よりも短くなると髪が十分に成長しないまま抜け落ちてしまいます。
ヘアサイクルが乱れる原因のひとつは男性ホルモンです。
善玉男性ホルモン「テストステロン」が還元酵素「5αリダクターゼ」と結びつき、悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」に変換されます。さらに毛乳頭にある「アンドロゲンレセプター」と結合すると、毛母細胞の活動が弱まり薄毛になる仕組みです。
壮年性脱毛症とAGAの違い
壮年性脱毛症は、AGAに分類される脱毛症ですが、大きな違いは発症年齢です。壮年性脱毛症は30代~40代に発症し、AGAは思春期以降の20代~50代以上の男性に現れる薄毛の症状全般を指します。
原因や対策は共通しているため、壮年性脱毛症もAGAと同じ認識で問題ありません。
壮年性脱毛症の原因
壮年性脱毛症の主な原因は、男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」です。
ジヒドロテストステロンは善玉男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼといわれる酵素が結びつくことで生じます。さらに、毛乳頭のアンドロゲンレセプターと結合するとヘアサイクルが乱れ、髪の成長を阻害するのです。
また、男性ホルモンの影響以外に、食生活やストレスなども壮年性脱毛症の原因です。
- 栄養バランスの偏った食生活
- ストレス
- 喫煙
- 自律神経の乱れ
- 頭皮環境の乱れ
たとえば、コンビニ食や外食が多い場合、髪の成長に必要な栄養が不足しやすい傾向にあります。髪の成長によいとされるタンパク質や亜鉛を積極的に摂取しながら、さまざまな栄養素をバランスよくとりましょう。
また生活習慣の乱れは、髪の成長に必要な栄養素が毛根まで行き渡らず、頭皮環境の悪化につながります。壮年期は仕事やプライベートでも責任が生じるタイミングでもあるため、ストレスを発散しながら健康的な生活を心がけることが重要です。
さらに、頭皮が皮脂で汚れている、毛穴が詰まっている場合も壮年性脱毛症の原因です。不衛生な頭皮環境では健康的な髪は育ちません。毎日髪を洗い清潔な頭皮を保つようにしましょう。
壮年性脱毛症のセルフチェックのやり方
薄毛や抜け毛が気になる方は、壮年性脱毛症のセルフチェックがオススメです。次の項目の中で自分に当てはまるものがある場合、壮年性脱毛症である可能性があります。
- 両親の親族に薄毛の方がいる
- 髪が細くなってきている
- 髪のコシがなくなってきている
- 額の面積が広くなったと感じる
- 頭頂部の髪が薄くなったと感じる
- 額と頭頂部の両方が薄くなったと感じる
- 抜け毛が増えている
- 栄養バランスが偏っている
- 毎日飲酒する(休肝日がほとんどない)
- 十分な睡眠時間(7時間程度)を確保できない
- 喫煙している
- ストレスが溜まっている
- 頭皮や髪のケアをしていない
また、実際に自分で髪をチェックする方法として、次の3つを試してみてください。
- 鏡を使って頭頂部と額の髪と頭皮の状態を確認する
- 定期的に写真を撮り比較する
- 抜け毛の本数を数える
鏡を用意して髪をチェックすると、薄毛の進行具合を確認できます。髪の分け目や額の生え際、頭皮に炎症がないかも観察しておきましょう。
毎日のチェックでわかりにくい場合、定期的に写真を撮って比較するのも有効な手段です。
また、髪は1日に50本~100本程度抜け落ちます。起床時の枕や入浴後の排水口などで抜け毛の量を観察すると、壮年性脱毛症の進行具合が把握できるためおすすめです。
壮年性脱毛症の治療法・改善方法
壮年性脱毛症は、発症する年齢が壮年であるだけで、基本的にはAGAに対する治療法と改善方法と同様になります。
主な治療法としては、「薬剤治療」「植毛・増毛」「光治療」「注入療法」の4つになります。
また、ご自身でもすぐできる改善方法としては、「生活習慣を見直す」「頭皮を清潔な状態に保つ」「ストレスをためない」の3点になります。
治療法・改善方法については、以下で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
薄毛・AGAは自力で治せる?薄毛の種類・改善や治療の方法を解説