患者様の問診・カウンセリングを行っていると、頭皮のニキビについてお悩みの方がいらっしゃいます。
そこで、本記事ではこのテーマについて解説します。
AGA・FAGAと頭皮ニキビの関係
一般的に、ニキビは過剰な油分や皮脂の詰まりにニキビ菌や黄色ブドウ球菌が感染することで生成されます。
女性に比べると男性はニキビができやすいとされていますが、その理由は男性ホルモンが皮脂の分泌を増やすことで、毛穴の詰まりを引き起こしやすくなるためです。
AGA・FAGAを発症している場合、男性ホルモンのジヒドロテストステロンが生成されるため、さらにニキビが増える環境が出来てしまうのです。
大人ニキビで悩まれる女性の中には、男性ホルモンの影響によりニキビが悪化・増加している方がいらっしゃいます。
男性ホルモンが原因で生成されるニキビは、男性でいう髭が生える場所にできる傾向にあるため、比較的見分けがつきやすいのが特徴です。
AGA・FAGAの場合、薄毛治療を開始することで、男性であれば5aリダクターゼの抑制、女性であればテストステロンの抑制ができるため、結果的にジヒドロテストステロンの生成が阻害され、ニキビの増加を改善できる可能性があります。
頭皮にニキビがある場合、痛みを伴い炎症を起こし赤く腫れあがるなど、頭皮環境が乱れている状態にあるため、薄毛治療を開始する以前に、まずは生活習慣やシャンプーの見直しを行いましょう。
あまりにもニキビや頭皮の荒れがひどい場合は、毛嚢炎・化膿性汗腺炎の疑いがあります。
なお、頭皮のできものが本当にニキビなのか、正確な判断を行う必要もあります。
慢性的な頭皮ニキビ、赤み、痛みのある方は、早めに専門医に相談しましょう。
頭皮ニキビの悪化
頭皮ニキビに関して重症度が高いのが、ニキビが炎症を起こし、溜まった膿ができものの破裂と同時に飛び出してくる状態です。
また、今は炎症が落ち着いているものの、以前にできものが破裂した箇所が赤みをもって陥没し、ケロイドや縫い後のような傷跡になり、髪の毛が生えていない状態で放置されている患者様もいらっしゃいます。
ここまで頭皮ニキビが悪化してしまうと、頭部の一部分が脱毛状態となり、目立つようになります。
もちろん、徐々に頭の皮膚がかさぶたを形成し、健康な皮膚に戻っていくようターンオーバーをしていきますが、このサイクルも生活習慣やヘアケアが悪ければ乱れているため、なかなか改善しない場合も少なくありません。
患者様によっては、ついかさぶたを剥がしてしまったりもするため、余計に皮膚が傷ついてケロイドのような状態まで進行することで、より発毛が思うようにいかなくなるのです。
頭皮ニキビは過剰な皮脂分泌や脂漏性皮膚炎の影響がほとんどですが、根本的な原因は生活習慣やヘアケアの問題にあります。
放置せず、頭皮の異変に気付いたときには、即座に専門のクリニックに相談されることをおすすめします。