「なんだか生え際が後退してる」
「自分のおでこってこんなにM字だったっけ」
ふと鏡で自分の頭を見たときに、このように衝撃を受ける人もいるのではないでしょうか。
生え際の髪の毛が薄くなり、おでこがM字を描いている状態を「M字はげ」と呼びます。原因にはAGA(男性型脱毛症)や牽引(けんいん)性脱毛症があり、早めの対策で改善してくことが可能です。
この記事では、M字はげの原因や治療法、自分でできる対策について解説します。
M字はげは治らない?
M字はげは、原因を特定して適切な治療を受ければ改善できます。M字はげの原因はAGA(男性型脱毛症)と牽引(けんいん)性脱毛症の2つだといわれているため、まず自分がどちらの脱毛症なのかを知っておくことが大切です。
ただし、どちらの場合も、早めに対策することが改善のカギとなるでしょう。「なんだか生え際が気になるな」と感じたら、早めに専門の医療機関に相談して、原因を特定してもらうことをおすすめします。
M字はげの原因
先ほどお伝えしたとおり、M字はげの原因は主にAGA(男性型脱毛症)と牽引(けんいん)性脱毛症の2つです。AGAは男性ホルモンが原因で起こる脱毛症で、牽引(けんいん)性脱毛症は日頃のヘアスタイルや髪を引っ張る習慣が原因の脱毛症です。ここでは、この2つの脱毛症について解説します。
AGA(男性型脱毛症)
AGA(男性型脱毛症)が原因でM字はげになることがあるでしょう。
AGAとは男性ホルモンによる薄毛で、男性・女性両方に起こる可能性があります。女性のAGAはFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれることもあるでしょう。男性ホルモンは髭や体毛を濃くするはたらきがある一方で、前頭部(生え際)や頭頂部の毛を柔らかくするはたらきがあります。AGAになると生え際の毛の成長サイクルが短縮されるようになり、徐々に髪の毛が細くなったりすぐ抜けたりすることでM字はげになってしまうことがあるのです。
AGAは治療薬や光治療などで改善していくことが可能です。詳しい治療方法は後ほど解説します。
牽引性脱毛症
牽引(けんいん)性脱毛症も、M字はげになる原因の一つです。牽引性脱毛症とは、髪の毛を引っ張るような髪型によって髪の毛が抜けてしまう脱毛症です。次のような習慣があるとM字はげになりやすいでしょう。
- ポニーテールやお団子など、髪をひとまとめにするヘアスタイル
- 頭のサイドを編み込むヘアスタイル
- オールバックのような髪を引っ張るヘアスタイル
- エクステンションの装着
- ヘアアイロンで髪を引っ張る行為
牽引性脱毛症の場合、M字はげに気がついた時点でヘアスタイルや習慣を改善していくと徐々に元に戻ります。しかし、上記のヘアスタイルや習慣を長期間続けると、毛根自体に障害が起きて髪が生えてこなくなってしまうこともあるため、注意が必要です。
M字はげの見分け方
M字はげは、左右の生え際が後退している状態です。M字はげに明確な基準はありませんが、次のようなことを感じたらM字はげになっているかもしれません。
- 以前よりも左右の生え際が後退して、おでこがM字型に見える
- 元々生え際がM字の形をしていたけど、最近M字がより目立つようになった
- 生え際が徐々に後退している気がする
- 生え際の髪の毛が以前より細く短くなっている
また、髪の毛が全体的に細くなっている場合や、抜け毛の量が増えた場合、抜け毛が細く短い場合は、髪の毛の成長サイクルが短くなっている証拠です。M字はげに加えてこれらの条件が当てはまる方は、AGAの可能性が高いでしょう。
AGAによるM字はげ治療法
AGAによるM字はげの治療法は以下のとおりです。
- 薬剤治療
- 植毛・増毛
- 光治療
- 注入療法
ここからは、それぞれの治療法の特徴を解説します。
薬剤治療
薬剤治療とは、内服薬(飲み薬)や外用薬(塗り薬)を服用してAGAを改善していく方法です。AGAの原因である男性ホルモンの活性を抑えたり頭皮の血管を広げたりする薬剤を使用します。効果は徐々にあらわれるため、6ヶ月以上の継続が基本です。
内服薬
「はげは塗り薬で治す」というイメージを持つ方も多いですが、実は内服薬(飲み薬)を使うことも多いです。決められた量と回数で服用することで、M字はげの進行を止めたり発毛・育毛を促したりします。
AGAに使う内服薬の種類は以下のとおりです。
薬剤名 | 期待できる効果 | 副作用 |
プロペシア(フィナステリド) | 男性ホルモンの活性を抑えて、短くなったヘアサイクルを正常化してAGAを改善します | リビドー(性欲)減退、勃起機能不全、肝機能障害など |
ザガーロ(デュタステリド) | 男性ホルモンの活性を抑えて、短くなったヘアサイクルを正常化してAGAを改善します | リビドー(性欲)減退、乳頭痛、勃起機能不全、肝機能障害など |
ミノキシジル | 血管を広げることにより頭皮の血流を改善します。また、ヘアサイクルを正常化しAGAの改善や発毛効果があります | 動悸、めまい、胸痛、むくみ、頭痛、吐き気など |
AGAに使う内服薬は錠剤のため、服用しやすいことがメリットです。ただし、全身に作用する薬剤のため、上記の表にあるような全身の副作用が起こる可能性があります。
デメリットとしては、服用できる人は限られていることが挙げられます。プロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)は女性や小児、パートナーが妊娠希望のある男性などは服用できません。これは、これらの薬剤が男性ホルモンの活性を抑えることでホルモンバランスに影響を与えてしまうためです。また、ミノキシジルは血管を広げる作用があるため、心臓や肺、血管などの循環器に疾患がある方は服用できません。
外用薬
AGAに使う外用薬にはさまざまな種類がありますが、ミノキシジルの塗り薬が日本皮膚科学会のガイドラインにおいて最も推奨されています。
外用薬は、内服薬と比較すると全身への副作用のリスクが減ることがメリットです。内服薬が服用できない方でも、外用薬なら使用できる場合があるでしょう。また、ミノキシジルの外用薬は第一類医薬品の市販薬も販売されているため、ドラッグストアやインターネット通販でも購入できます。
外用薬のデメリットは、塗布する手間があること・塗り方によって髪の毛がごわつくこと・塗布した箇所に刺激を感じる場合があることです。AGAの治療薬は毎日の継続服用が大切なので、外用薬も毎日決められた量を塗布していくことが必要です。頭皮に傷がある場合や肌がかぶれやすい場合には、外用薬で刺激を感じやすいため、使用前に医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。
AGAに使える外用薬は、ミノキシジルの他にアデノシン・カルプロニウム塩化物・t-フラバノン・サイトプリン・ペンタデカン・ケトコナゾールなどがありますが、いずれも推奨度はミノキシジルより低いです。
植毛・増毛
見た目を早く改善させたい場合、植毛や増毛という手段も有効です。
植毛は頭皮に自分の毛(自毛)や人工毛を植え付ける方法です。人工毛の植毛は拒絶反応や頭皮の炎症などのリスクが高いため、基本的には自毛を植毛していきます。日本皮膚科学会のガイドラインによると、自毛植毛の場合は生着率(植毛した髪の毛がきちんと機能する確率)は82.5%以上と非常に高いため、AGAの治療薬で効果が見られない場合に勧められると記載されています。ただし、自毛植毛は自分の髪の毛がある程度残っていないと実施できません。
一方、増毛は今生えている髪の毛に人工毛を結びつけたり、頭皮に人工毛が生えたシートを接着したりして、見た目を改善します。自分の髪の毛がほとんどない場合でも実施できる方法ではありますが、髪の毛や頭皮に負担がかかる可能性があります。
他の治療法だと髪の毛が生えてくるまでの期間が長いため、植毛や増毛はとにかく早く見た目を改善したい方におすすめです。
光治療
光治療とは、頭皮にLEDや低出力レーザーを照射することにより髪の毛の成長を促す治療法です。日本皮膚科学会のガイドラインにおいても推奨されている治療方法です。
光治療では、皮膚への刺激や副作用が軽いことがメリットです。まれに痛みやかゆみ、乾燥などの副作用が起こることがあるでしょう。ただし、光治療で使う機械は日本で認可されていないため、クリニックによって治療方法がさまざまです。治療期間や効果、副作用、費用などについては、しっかりと医師に相談することをおすすめします。
注入療法
注入療法は、注射器や電気、ダーマローラー(極細針のついたローラー)などで頭皮に直接薬剤を注入する治療法です。別名「メソセラピー」とも呼ばれます。
注入療法で使用する薬剤はクリニックにより異なりますが、頭皮を整え髪の毛の成長を促すような美容成分やビタミン、ミネラル、アミノ酸、ヒアルロン酸などが多いです。プロペシアやザガーロなどのAGA治療薬を注入する場合もあります。
クリニックへ通院したときのみの治療のため、AGA治療薬の服用が大変と感じる方におすすめの治療法です。その代わり、定期的に通院が必要なことと費用が高くなる可能性があることには注意が必要です。メソセラピーの費用は1回数万円、1クール数十万円と高額になることもあるので、医師とよく相談して治療を受けるかどうか検討しましょう。
自分でできるM字はげ対策
M字はげは薬剤や植毛治療などで対策できますが、進行を防ぐためには普段の生活を見直すことも重要です。ここでは、自分でできるM字はげ対策をご紹介します。
- 生活習慣を見直す
- 頭皮の環境を整える
- ストレスをためない
M字はげの治療とあわせて、これらの対策を取り入れていきましょう。
生活習慣を見直す
生活習慣を見直して、頭皮環境を整えることがM字はげの対策につながることがあります。具体的にはバランスの良い食生活、睡眠時間を十分にとる、禁煙を心がけるなどを行うと良いでしょう。
体に必要な栄養を過不足なく摂り規則正しい生活を心がけると、代謝が良くなり頭皮の状態も良くなっていきます。特に、髪の毛や頭皮の主成分となるタンパク質は、普段の食生活でも不足しがちです。意識して食事に取り入れることをおすすめします。
頭皮の環境を整える
M字はげを改善するためには、頭皮の環境を整えることが非常に大切です。頭皮の汚れや毛穴詰まりをしっかりとることで、外用薬も浸透しやすくなります。また、頭皮環境を良くしてかゆみや違和感を抑えれば、頭皮を掻いてダメージを与えてしまうことも減るでしょう。
1日1回シャンプーをして頭皮についた汚れや毛穴に詰まった皮脂を取り去りましょう。さらに、血行を良くするために頭皮マッサージを行うとより頭皮環境が整います。頭皮の乾燥が気になる場合は、頭皮用の保湿ローションを使うことをおすすめします。
ストレスをためない
M字はげ対策をするのなら、ストレスをためない生活を心がけましょう。
ストレスがあると自律神経が乱れて血行が悪くなり、AGAが進行しやすくなることがわかっています。また、ストレスで髪の毛や頭皮を触ってしまったり髪をかきあげたりする人は、ストレスをためないことで牽引性脱毛症の原因を無くすことができるでしょう。
ストレスをためると睡眠や食生活などの生活習慣にも影響が出ることがあり、M字はげ対策の妨げとなります。リフレッシュする機会を多めに作るなどして自分なりのストレス対策を見つけましょう。
まとめ
M字はげは、生え際が「M字」のようになっている状態です。原因は主にAGA(男性型脱毛症)と牽引(けんいん)性脱毛症の2種類で、早めの対策で改善することもできます。
AGAによるM字はげは、AGA治療薬・植毛・増毛・光治療・注入療法などで治療が可能です。治療期間やメリット・デメリット、費用などは医療機関により異なるため、治療前にしっかりと相談することが大切です。また、生活習慣や頭皮環境を整えていくことも治療と一緒に行いましょう。
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