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髪の毛は1日に何本抜けるのか?抜け毛100本は多い?

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髪の毛は本来、一定期間で自然と抜け落ち生え変わるものです。
ただ、自然と抜け落ちるものだと頭では分かっていても、抜け毛や薄毛が気になりだした方にとっては、実際に目にするとは不安になられるかもしれません。

そこで、この記事では1日に抜ける本数がどれくらいが一般的か、正常な範囲の抜け毛・異常な状態の抜け毛についてのほか、抜け毛の対策と予防について解説します。

正常な1日の抜け毛本数は何本?

人の髪の毛は成長期、退行期、休止期というヘアサイクルによって生え変わり、自然に抜け落ちる時期があります。

健康な頭皮の状態の方でも、1日に50~100本の髪の毛が自然に抜けてるといわれています。100本と聞くと多く感じますが、人の毛髪の総本数は約10万本なので、抜けている毛は全体の約0.1%程度となります。
これくらいの抜け毛量であれば正常の範囲なので、薄毛の心配は特にありません。

ヘアサイクルについては、以下で詳しく解説しています。

ヘアサイクル(毛周期)を戻す方法を解説!

1日に抜ける髪の毛が200本に達する時期もある

季節によって抜ける髪の毛の本数が増える時期があり、秋になると抜け毛の本数が200本程度になることがあります。
これは夏の間に受けた紫外線や日光などによる頭皮・髪へのダメージと動物の換毛期の名残が関係しているといわれていますが、正確な理由は判明していません。

抜け毛の量が増えると薄毛が心配になると思いますが、秋の一時的な抜け毛で冬になると元に戻るのであれば問題ありません。

シャンプー時に髪の毛が集中して抜ける

1日あたりの抜け毛の全本数のうち、約6割程度(30~60本)はシャンプー中に生じます。
シャンプーによる刺激により集中して抜けやすいのですが、これは自然に抜け落ちる時期の髪の毛であることが多いので、シャンプー中の60本以下程度の抜け毛であれば正常といえるでしょう。

髪の毛が異常に抜ける状態の特徴

これまでの自然に起こる正常な範囲の抜け毛についてみてきました。では、異常な抜け毛にはどんな特徴があるのでしょうか。注意が必要な3つの特徴についてお伝えしていきます。

抜け毛が毎日100本を超える

季節に関係なく1日に100本以上の抜け毛が続くようであれば、ヘアサイクルが乱れており異常な抜け毛の可能性が高いといえます。
日々のシャワー後の排水溝に溜まった髪の毛の量やヘアブラッシング後のブラシについている髪の毛、寝起きの枕に付いている抜け毛の量などが今までと比べて格段に増えていると、抜け毛の量の変化に気付くきっかけになります。
意識してみることで抜け毛量の多いのか、客観的に気づくことができます。

抜け毛の毛根に異常が見られる

抜け落ちた毛の毛根の状態を確認すると、その抜け毛が正常か異常かを判断できます。

正常な毛根の状態は、以下のような特徴があります。
・毛根が白っぽい色をしており、ふっくらとした丸みを帯びている
・毛根の周りを半透明の膜(毛根鞘)が覆っている

一方、異常な毛根の状態は、以下のような特徴があります。
・毛根が黒い
・毛根が付いていない、毛根が丸くなくギザギザしている
・毛根に皮脂が付着している

毛根が黒いのは、血行不良で髪に栄養が行き届いていない証拠です。
毛根が付いていなかったり毛根がギザギザしたりしているのは、ホルモンバランスの乱れやストレスなどにより、ヘアサイクルが崩れていると考えられます。
毛根に皮脂が付着しているのは、シャンプーの方法に問題があるために、皮脂の過剰分泌が起こっているといえます。

毛根の状態でも正常・異常を見分けられることがあるので、抜けた毛の毛根をチェックしてみてください。

抜け毛が細く短い

抜けた毛を観察してみた結果、細くて短い毛が多いならば、それは異常な状態といえます。
正常な成長過程を経て抜ける髪の毛は太くて長いものです。つまり、細くて短い髪の毛というのは、成長しきる前の途中の段階で抜けてしまった毛ということになります。

髪の毛が細くて短いうちに抜け落ちてしまうのは、AGAの原因である「ジヒドロテストステロン」がヘアサイクルに影響し、髪の毛の成長期が短くなったからである可能性が高いです。

ジヒドロテストステロンについては、以下で詳しく解説しています。

ジヒドロテストステロン(DHT)とは?減らす方法や多い人の特徴を解説

抜け毛が増える原因

抜け毛は、髪の毛が生え変わるサイクルの一部として自然に起こる現象ですが、その量や頻度が通常と異なる場合、次の様な何らかの原因が関わっている可能性があります。

季節の変わり目

季節の変わり目は抜け毛が増えやすい季節です。

特に春と秋は環境の変化や寒暖差などで、心身に負担がかかりやすくなります。その分交感神経が優位に立つ時間が長くなり、身体にもさまざまな変化が出やすくなってしまうのです。

また秋に関しては、夏に蓄積された紫外線のダメージが表面化しやすい季節でもあります。

過度なストレス

過度なストレスは頭皮環境を悪化させ、抜け毛をはじめ、さまざまな頭皮トラブルを引き起こす原因となります。

過度なストレスによって緊張状態が続くと自律神経が不安定になり、ホルモンバランスが乱れます。ホルモンバランスが乱れると皮脂分泌を促すため、頭皮のベタつきやフケ、抜け毛などのトラブルを招く可能性があります。

さらに心身が緊張状態になるため、血管は収縮し血流が悪化します。髪に必要な栄養も血液によって頭皮へ運ばれるため、血流が滞ると髪の毛が育たずに抜け毛のリスクが高まります。

薬の副作用

薬の副作用によって抜け毛が増えることがあります。

代表的な例は抗がん剤です。抗がん剤以外にも副作用に抜け毛がある薬は存在しますが、成長期に髪が抜けてしまったり、休止期が長引いて新しい髪の毛がなかなか生えてこないといった理由で、脱毛が進行しているケースが少なくありません。

薬の副作用が原因の場合は、髪の毛だけではなく眉毛や鼻毛など、体毛の一部や全てが抜けてしまうこともあります。

シャンプーのしすぎ

シャンプーは1日1回が適度な回数です。

1日に2回以上、頻繁にシャンプーをすると頭皮の潤いを奪い、乾燥させてしまいます。その結果、頭皮環境が悪化し、脱毛につながります。

また、頭皮に合わないシャンプーや、洗浄力が強すぎるもの、シャンプー時に爪を立てて力強く洗ったり、シャンプーのすすぎ残しがあるなども頭皮環境の悪化の原因となりますので注意が必要です。

パーマ・カラーリング

パーマやカラーリングも、使用する薬剤や頻度によって抜け毛が増える可能性があります。

元々肌が弱い方や、前述の様にストレスやシャンプーのしすぎなどで頭皮環境が悪化した状態で、カラーやパーマをすると薬剤が刺激となり、抜け毛が増えることがあります。

薬剤が原因の抜け毛は一時的なものであり、頭皮のダメージが改善することで抜け毛も落ち着くケースがほとんどです。

妊娠・出産

産後脱毛症(または分娩後脱毛症)と呼ばれるもので、妊娠や出産による女性ホルモンの急激な減少や育児のストレス、生活習慣の乱れが原因で抜け毛が増えてしまう症状です。

基本的に産後脱毛症は一過性の脱毛症であり、産後半年~1年で元の状態に戻ることが多いですが、長期化して何年も症状が続くこともあります。

加齢

加齢に伴い髪が細く弱くなったり、十分な栄養が行きわたりにくくなり、抜け毛が増えることがあります。

また髪の毛のヘアサイクルは生涯で15〜20回ほどです。年齢を重ねることでヘアサイクルを消化してしまい、ヘアサイクルが終了した毛穴からは毛が生えなくなってしまいます。

持病

甲状腺や卵巣などの病気をお持ちの方の中は、血液の循環の悪化や、髪の成長に欠かせないホルモン分泌の乱れなどの影響で、一時的に抜け毛が増える可能性があります。

また昨今では新型コロナウイルスの後遺症による脱毛症状も増加しており、その数は新型コロナ感染者の約24%に及ぶという統計データが発表されています。

何らかの脱毛症

抜け毛が増える原因として、何らかの脱毛症を発症している可能性があります。

よくある脱毛症は以下の通りです。

  • 円形脱毛症
  • 男性型脱毛症(AGA)
  • 女性型脱毛症(FAGA)
  • 脂漏性脱毛症
  • 牽引性脱毛症

長期的に多量の抜け毛が続く場合には、何らかの脱毛症を発症している可能性が高いです。

但し、自分自身でどの脱毛症なのか判断することは難しいため、専門の医療機関を受診することをオススメ致します。

抜け毛対策と予防

髪の毛はサイクルによって自然と抜け落ちるものですので、抜け毛をゼロにすることは出来ません。

ただし1日に100本以上の髪の毛が抜ける、束の様に髪の毛が抜ける、洗髪時以外も抜け毛が目立つなど、抜け毛の多さが気になる方は次のような点に気を付けてみるといいでしょう。

シャンプーの仕方を見直す

シャンプーの正しいやり方は次の通りです。

  • ぬるま湯(38〜40度)で丁寧に予洗いする
  • シャンプーを適量手に取り、軽く泡立てる
  • 指の腹で地肌をマッサージするように洗う
  • シャンプーが残らないようしっかりとすすぐ
  • タオルで髪の毛の水分を吸い取りドライヤーで乾かす

シャンプーは地肌を傷つけない様に、指の腹を使ってマッサージするように洗いましょう。

熱湯は頭皮を乾燥させてしまうため、お湯の温度は38〜40度のぬるま湯が理想的です。シャンプー(トリートメントも)を洗い流す際は、髪の毛だけではなく頭皮にも残らないようしっかりとすすぐことが大切です。

肌が弱い方は、頭皮や髪の毛に優しくダメージが少ない「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーを選ぶといいでしょう。

また髪の毛を濡れたまま放置すると、雑菌が繁殖し髪の毛や頭皮にダメージを与えてしまうため、お風呂上りは早めにドライヤーを使ってしっかりと乾かしましょう。

頭皮マッサージ

頭皮の血行不良は、髪の毛に十分な栄養が行き届かず、育毛を阻害します。

血行不良を改善するためには、頭皮マッサージがすぐに取り入れることができ効果的です。

マッサージといっても高度な技術などは必要なく、1日5分程度のマッサージで十分です。

マッサージの方法はこちらの記事にて詳しく紹介してますので参照してください。

頭皮のコリチェック!効果的なマッサージでコリ撃退

頭皮マッサージにはストレスを緩和する効果も期待できます。

ストレスも抜け毛が増える原因になりますので、血行不良の改善とストレス緩和効果のある頭皮マッサージは抜け毛を予防するのにとても有効です。

生活習慣の見直し

栄養不足、睡眠不足、運動不足も抜け毛が増える原因となります。

食事はタンパク質、亜鉛、ビタミンなど、髪の毛に必要な栄養素を積極的に摂取しましょう。高脂質・高カロリーな食事は量や回数を減らすように意識することが大切です。食事での改善が難しい場合はサプリメントで摂取することも選択肢の一つです。

睡眠の質向上のために、就寝前に入浴したりやストレッチを行って身体を温めましょう。血行が促進され身体が温まると、寝つきが良くなります。

運動不足が気になる場合は、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を中心に体を動かすよう習慣づけましょう。適度な運動を行うことで、代謝が向上し頭皮環境の改善が期待できます。ただし運動後に汗のかいた頭皮をそのまま放置すると、雑菌が繁殖し、頭皮環境の悪化につながる可能性があるので注意が必要です。

急に全てを取り入れることは難しいですが、できることから少しずつ普段の生活に取り入れてみましょう。

ストレス発散

過度なストレスは抜け毛の大きな原因となります。

ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れ、血行が悪くなってしまいます。

血行が悪くなると、頭皮への栄養供給が滞り、育毛が阻害され抜け毛を引き起こす可能性があります。

またストレスは円形脱毛症の大きな要因の一つとも言われています。

ただし社会生活を行う上でストレスのない生活を行うことは難しいですので、適度な運動を行う、趣味を楽しむ、リラクゼーションを取り入れるなど、ストレス発散することを日頃から意識してください。。

専門の医療機関を受診する

何らかの脱毛症を発症している場合には、上記の様な対策を行っても改善が難しいかもしれません。

大量の抜け毛が続く方、細く短い毛が抜ける方、明らかに髪のボリュームが少なくなっている方などは、自分に合った抜け毛対策を見つけるために、専門の医療機関を受診することをオススメ致します。

医療機関での治療には、大きく以下の4つの方法があります。

  • 内服薬
  • 外用薬
  • 注入療法
  • 植毛

内服薬、外用薬のいずれか、または両方を用いて治療することが第一の選択肢となります。

早い方では治療開始から3ヶ月ほどで毛髪の変化を実感できます。またより早く、そしてより高い効果を期待する方には、頭皮に発毛因子を注入する注入療法も効果的です。

投薬治療で回復が見込めない場合には、薄毛部位に頭皮組織または人口毛を移植する植毛手術が有効な手段となります。

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この記事の監修医師
総院長

Dr.AGAクリニック総院長 岩槻 快樹

2019年 大阪市立大学医学部卒業
2019年 大阪市立大学医学部附属病院
2021年 医療法人杏和会 阪南病院
2022年 Dr.AGAクリニック大阪梅田院 院長就任
2024年 Dr.AGAクリニック 総院長就任

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