トリコロマチア(抜毛症)をご存知でしょうか。
自ら髪の毛を繰り返し抜く、もしくは無意識に髪の毛を抜き続けることで、第三者から見た時に明らかに髪の毛の量が失われている疾患です。
精神的衝動と考えられているため、衝動制御障害に分類されています。
抜毛症は、正常な髪の毛を抜いてしまうことにより脱毛斑ができる精神疾患です。
さらに、髪の毛を抜いてしまうどころか、抜いた髪の毛の毛根鞘を食べてしまう方もいらっしゃいます。
毛根鞘を食べてしまう疾患を食毛症と呼び、食毛症はトリコロマチアと併発していることが多い疾患です。
ストレスや髪の毛を抜くことが習慣化し、毛根鞘を食べる事が癖になってくることで、髪を抜きたいという衝動がどんどん加速し、トリコロマチアを進行させていく恐れがあります。
抜毛症の原因は解明されていませんが、主な原因としてストレスが深く関連していると言われています。
自らの髪の毛を抜いて食べることに、恥ずかしさや不合理であると理解しているにも関わらず、自らをコントロールできない衝動に駆られるのもこの疾患の特徴だといえるでしょう。
髪の毛を抜くことで、満足感を感じているのです。
抜毛症の方々にとって、自らの意志で医療機関を受診することは難しいかもしれません。
良くない事だと理解はしていても、髪の毛を抜くという衝動を抑え込まれることに恐怖や不安を感じる場合があるためです。
抜毛症だと思われる方が近くにいる場合、ご家族の場合、周囲がいち早く気づいてあげるなど、周囲のサポートが何よりも重要になります。
髪の毛の生え変わるサイクルには回数があるといわれています。
髪の毛を抜く習慣から離れられずヘアサイクルが終わってしまう前に、少しでも早い段階で医療機関に相談しましょう。