髪の毛や頭皮が脂っぽくベタつき、髪の毛のスタイリングに時間がかかったり、髪の毛がペタッとしてボリュームが少なく見えてしまったり、髪のベタつきにお悩みの方も多いのではないでしょうか?
髪のベタつきは皮脂の過剰分泌によって起こります。ただし、皮脂が多くなる原因はいくつか考えられ、人それぞれに対処方法が異なります。
特に男性は比較的皮脂が多く、髪がべたつきを抱えやすい傾向にあります。セットが決まりにくい、髪のボリュームが少なく感じるといった場合は、毛髪や頭皮にベタつきがないか確認し、適切な処置を行いましょう。
こちらの記事では髪の毛がベタつく原因と、その対処法や、外出先でも使える応急処置の方法を解説します。
髪の毛がベタつく原因
ベタつきの原因は、頭皮から過剰に分泌された皮脂です。ただし、皮脂が過剰に分泌される要因は人それぞれです。次の項目の中から心当たるものがないか確認しましょう。
シャンプーの仕方が悪い
- 洗い残しによって、皮脂や整髪料がちゃんと落ちていない
- すすぎが不十分で、シャンプーやトリートメントの成分を流しきれていない
- 洗いすぎで頭皮が乾燥し、過剰に皮脂が分泌されている
シャンプーが十分に泡立っていなかったり、すすぐ時間が短かったりすると、汚れや皮脂が十分に落ち切らず、髪がベタつく原因となります。
また、すすぐ時間が短く頭皮にシャンプーやトリートメントの成分が残っていたり、汚れが残っていたりすると、臭いの発生や頭皮の炎症にも繋がる恐れがあります。
洗いすぎは、頭皮の自然な潤いが失われ、頭皮の乾燥へと繋がります。乾燥すると、頭皮を守るためさらに皮脂の分泌が過剰になってしまい、ベタつきの原因となります。シャンプーは1日1回で十分ですので、洗いすぎには注意しましょう。
肌に合わないシャンプーを使っている
肌に合わないシャンプーを使用すると、髪のベタつきの原因になります。
皮脂の分泌量には個人差があり、分泌量の多い人が洗浄力の弱いシャンプーを使うと、皮脂が落ち切らずにベタつきの原因となります。また分泌量の少ない人が洗浄力の強いシャンプーを使うと、頭皮が乾燥し、皮脂の分泌が過剰になりベタつく原因となります。
洗髪時にしっかりすすいでも、ベタつき感が残るようなら、シャンプーが肌に合っていない可能性があります。
生活習慣の乱れ
脂肪分や糖質の多い偏った食生活や、睡眠不足や運動不足、ストレスの溜まった生活を続けていると自律神経が乱れ、交感神経の活動が活発になります。
交感神経の活動が活発になると、男性ホルモンなどが過剰に分泌されます。男性ホルモンは皮脂の分泌を司っているため、男性ホルモンが多くなることで、皮脂の分泌量も多くなるケースがあります。
ホルモンバランスの乱れ
男性ホルモンは20~30歳で分泌量のピークを迎え、以降徐々に減少していきます。
そのため、20〜30代前後の男性はホルモンバランスの影響で皮脂分泌量が多い傾向にあります。
若い頃の方がニキビができやすかったり、肌のテカりやベタつきが起こりやすかったり、またこの様な症状が女性よりも男性の方に多く見られるのもそのためです。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは、頭や顔など皮脂の分泌が盛んな箇所にできる湿疹で、赤ちゃんから大人まで起こる病気です。
髪のベタつきだけでなく、頭皮に赤みや痒みを伴う場合には、脂漏性皮膚炎の可能性があります。原因は複数あるものの、皮膚に常在するカビの一種「マラセチア」が異常に増殖することや、生活習慣の乱れ、肌質などが関係しています。
髪のベタつきを改善するには
正しい洗い方でシャンプーする
ベタつきの原因となる頭皮の汚れや余分な皮脂をしっかり落とし、健康な頭皮を保つためには毎日のシャンプーが非常に重要です。但し、洗いすぎは頭皮の自然な潤いまで奪ってしまうため、シャンプーは1日1回にしましょう。正しいシャンプーの方法は以下の通りです。
髪をブラシでとかす
髪を濡らす前にブラッシングをすることで、髪についたホコリや汚れを落とすことができます。また事前に絡まりをほどくことで抜け毛予防にもなります。
ぬるま湯で髪と頭皮を十分に予洗いする
シャンプーの前にぬるま湯で髪と頭皮をよく洗います。丁寧に湯洗いすることで髪の表面の汚れを落とすことができ、シャンプーの泡立ちもよくなります。お湯の温度は38〜40度が適温です。
手のひらでシャンプーを泡立ててから頭にのせる
手のひらでシャンプーを泡立ててから頭にのせます。泡立ちがいいほど髪や頭皮に付着した汚れが落ちやすくなります。きめの細かい泡が汚れを絡めとるので、髪につける前にある程度泡立てておきましょう。
爪は立てず指の腹でマッサージするように頭皮を洗う
泡立てたシャンプーを頭にのせ、指の腹で頭皮をもみほぐすように洗います。髪の毛を洗うというより「頭皮を洗う」ことを意識し、短時間で手際よく爪を立てずに洗髪することを意識してください。
ぬめりがなくなるまで十分に髪と頭皮をすすぐ
シャンプーのすすぎ残しはニオイやかゆみ、頭皮へのダメージなどのトラブルにつながります。毛量が多い方や髪の長い方は特に注意してください。
なお、シャンプー後にコンディショナーをつける場合は、頭皮につかないように注意しながら髪の毛全体になじませ、ぬめりがなくなるまでしっかりと洗い流しましょう。
優しくタオルドライした後にドライヤーで十分に乾かす
髪が濡れている時間が長いと、湿気によって頭皮に雑菌が繁殖しやすくなります。
頭皮環境の悪化はフケやかゆみ、抜け毛の原因となるため、洗髪後や入浴後はすぐに髪の毛を乾かしましょう。また、乾かす前にしっかりとタオルドライすることも大切です。
シャンプーを変える
シャンプーは自分の頭皮の状態に合ったものを選ぶことが大切です。シャンプーには主に4つの洗浄成分があり、洗浄力が強い順に「石鹸系」「高級アルコール系」「アミノ酸系」「ベタイン系」となります。
敏感肌や乾燥肌の人は、「アミノ酸系」「ベタイン系」といった、優しい洗浄成分のものを選ぶのがおすすめです。
またオイリー肌の人は適度な洗浄力を持ち刺激が強すぎない、ラウレス-4カルボン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNaなどの成分が配合された、高級アルコール系シャンプーがおすすめです。
ただし、シャンプーを変えたからといってすぐに改善が見られることはないので、長期的に使い続けて効果を見る必要があります。
また年齢によっても肌の状態は変わってきます。年齢と共に変化する肌の状態をきちんと把握して、使い分けましょう。
生活習慣の見直し
不規則な生活を続けると、ホルモンバランスが崩れ頭皮環境の悪化に繋がります。
脂肪分や糖質の多い食事は控え、食事の時間もできるだけ同じリズムに整えましょう。
適度な運動を取り入れることも大切です。規則正しい生活を送ることは心身を健康に保つためにも重要です。
また、飲酒や喫煙はほどほどにしましょう。
適度にストレスを発散させる
ストレスが蓄積すると自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れてしまいます。その結果、皮脂の分泌量が増えて頭皮や髪がベタつきやすくなってしまいます。
現代社会でストレスをゼロにすることは難しいですが、趣味や運動などで適度に発散させるように心掛けましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動はストレス解消もできる上、皮脂の元となる中性脂肪も消費でるため非常に効果的です。
十分な睡眠をとる
毎日就寝時間と起床時間を揃えて、十分な睡眠時間を心掛けましょう。毎日同じ時間に起きて太陽の光を浴びると体内時計が整い、睡眠の質も上がります。
規則正しい生活リズムにすることで男性ホルモンが安定し、髪のベタつきの原因となる皮脂量が安定します。
医療機関に相談する
上記のような方法を試してもベタつきが治らないという場合は、皮膚の病気の可能性も考えられます。皮膚科など専門の病院を受診して、症状に合わせた正しい治療を受けましょう。
また髪のベタつきだけでなく、コシのある太くて強い髪の毛が育たなかったり、細いまま抜け落ちたりしている場合には、男性型脱毛症(AGA)の可能性もあります。
AGAは進行型の疾患ですので、早期治療が非常に重要です。髪や頭皮のベタつき以外に、薄毛や抜け毛などの気になる症状があれば専門の医療機関を受診しましょう。
外出先でも使える応急処置
髪の毛のベタつきを根本的に解決するにはある程度時間がかかってしまいます。しかし、外出中や仕事中にだんだん髪がベタつき、ふと鏡を見た時などに大きなストレスを感じるかもしれません。
今すぐにでもベタつきを抑えたいという場合には、次のような方法で応急処置ができます。
ウェットシートや油取り紙で皮脂を拭く
髪や頭皮は、顔よりも皮脂分泌が過剰になるケースもあり、ベタつきが気になる方はウェットシートや油取り紙を常備して持ち歩くといいでしょう。ウェットシートや油取り紙が無い時はティッシュでも問題ありません。
頭皮は気になる箇所に直接押し当てます。髪の場合にはベタつきが気になる箇所をウェットシートや油取り紙で挟み、皮脂を拭き取りましょう。但し、強く擦ると髪や頭皮を傷めてしまうため、優しく拭き取ることを心がけましょう。
ベビーパウダーやドライシャンプーを使う
ベビーパウダーやドライシャンプーを少量手に取り、手のひらで軽く馴染ませてから頭皮全体につけていきます。その後、タオルなどで拭き取ればベタつきをすぐに改善することが出来ます。
また頭皮用の皮脂吸着パウダーを使うと、より簡単にベタつきを抑えられます。
またドライシャンプーは髪や頭皮に直接吹きかけるだけで使える、スプレータイプもおすすめです。初めて使う方でも簡単にケアができます。