前回の記事で、自己免疫疾患に関する内容をお話させて頂きました。
脱毛症の一つである円形脱毛症は、自己免疫疾患の一つに位置づけられています。
ひと昔前まで、円形脱毛症はストレスによるものという位置づけが強かったのですが、昨今ではその認識に変化が出てきております。
当院が処方している円形脱毛症専用のお薬は2種類です。
◆セファランチン(主に円形脱毛症・粃糠性脱毛症治療に用います。)
・抗アレルギー作用
・血流促進作用
・免疫機能増強作用
・造血機能の改善作用
◆エステルローション
・抗炎症作用や免疫抑制作用などにより、皮膚炎などにおける湿疹・痒み・赤みなどを和らげる効果があります。ステロイドホルモンが含まれ、皮膚の毛包や脂腺から吸収して効果が発揮されます。
その他、円形脱毛症専門外来などではステロイド剤の注射によるステロイド局所注射療法を行っている場合もあります。
上記のように内服薬や外用薬、施術などにより免疫抑制治療を行うことで、体の細胞を異物として攻撃し排除するという誤った指令が出ている免疫機能に対し、炎症や異常な免疫機能を抑える効果があります。
治療薬や治療法の全てに、免疫機能の抑制が備わっていることからも、円形脱毛症が自己免疫疾患であるという事実が読み解けるのではないでしょうか。
ステロイド剤は効果が高い一方、副作用も避けて通ることはできません。
円形脱毛症の治療はほとんどの場合、長きにわたります。
自己免疫疾患の原因は未だ解明されず、治療方法も限られているのが現状です。
患者様は見た目の変化に伴い、徐々に心にも変化が見られます。
周囲の方のサポートが必要不可欠になります。
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