AGA治療

AGAに育毛剤は効果ある?AGA治療薬・発毛剤との違いを解説

AGA治療

薄毛や抜け毛に悩んでいる人の中には「まず育毛剤を試してみよう」と考える人も多いのではないでしょうか。しかし、育毛剤の効果についてよく知らずに過度な期待を持ってしまって、後でがっかりされる人もいます。

ここでは、育毛剤の効果やAGA治療薬・発毛剤との違いについて解説します。育毛剤の理解を深める一助になれば幸いです。

AGAに育毛剤は効果ある?

育毛剤には頭皮環境を整える成分が含まれています。しかし、AGA治療薬や発毛剤と比べると髪の毛に対する効果は限定的といえるでしょう。

AGAになると、テストステロンが変換されてできるジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉の男性ホルモンが増加します。このDHTによってヘアサイクル(毛周期)が乱れ、成長する前に抜けてしまう毛が増えるため、抜け毛や薄毛が進行してしまうのです。

育毛剤には発毛効果やヘアサイクルを正常にする効果はないため、育毛剤のみではAGAを改善することは難しいといえます。

そもそも育毛剤とは?

ここからは、育毛剤について以下のポイントに分けて説明します。

  • 育毛剤の効果と副作用
  • 育毛剤の使い方
  • 育毛剤を使用する際の注意点

効果・副作用

育毛剤には主に以下の作用が期待できます。

  • 頭皮の血行促進
  • 余分な皮脂分泌の予防
  • 栄養成分の補給

これらの効果により、頭皮環境を整え抜け毛を防ぐ効果が期待できます。ただし、直接的に髪の毛を生やす効果は期待できません。

副作用には、赤み・かゆみ・湿疹などの皮膚トラブルが起こる可能性があるため、使用前に適切な使用方法を確認しましょう。

使い方

育毛剤は清潔な頭皮に1日1〜2回塗布する方法が一般的です。夜の洗髪後と朝のヘアスタイルを整える前などの使用がよいでしょう。しかし、育毛剤の用法・容量は製品によって異なるので、メーカーが推奨している使用方法を守る必要があります。

以下の点に留意して育毛剤を使うとより効果的です。

  • 髪が水分を含んでいると育毛剤が浸透しにくいため、髪を7〜8割くらい乾かす
  • 分け目をつけながら、髪ではなく頭皮に塗布する
  • 爪を立てずに、指の腹で優しくマッサージしながら揉み込む

育毛剤の効果を実感する時期は人それぞれですが、髪の毛のヘアサイクルを考慮して3〜6ヶ月の使用を目安にするとよいでしょう。

育毛剤を使用する際の注意点

育毛剤は、発毛剤やAGA治療薬よりも重篤な副作用が出るリスクが少ない傾向にあります。ただし、成分や体質によっては赤みやかゆみ、湿疹などの皮膚トラブルが起こる可能性があるため、以下の点に注意しておきましょう。

  • 頭皮が清潔な状態で使用する
  • メーカーが推奨する用法・用量を守る
  • 頭皮に皮膚トラブルを感じる場合はすぐに使用を中止する

用法・用量を守っても皮膚症状が出る場合は、育毛剤の成分が肌に合っていないことが考えられます。この状態で育毛剤を使い続けると肌トラブルや薄毛を悪化させる可能性があるため、速やかに中止して医師の診察を受けましょう。

AGA治療薬と育毛剤の違いは?

育毛剤はドラッグストアでも購入が可能な「医薬部外品」です。

一方でAGA治療薬は、AGAの原因となるヘアサイクルや発毛のメカニズムにアプローチして治療する「医薬品」です。AGA治療薬を入手するには医師の処方が必要になるため、入手方法にも違いがあるといえるでしょう。

育毛剤とAGA治療薬の違いは、以下の表の通りです。

 育毛剤AGA治療薬
分類医薬部外品医薬品
購入方法ドラッグストアで購入が可能医師の処方が必要
使用目的抜け毛の予防AGAの治療
効果頭皮環境を整えるDHTの抑制によりヘアサイクルを正常に戻す 発毛を促進する
副作用赤み・かゆみ・湿疹など性欲減退・勃起不全・肝機能障害など

薄毛や抜け毛の状態によって、育毛剤とAGA治療薬のどちらを選択するべきかが異なります。

ご自身の抜け毛の原因を知るため、また、AGAだった場合は早めに治療を始めると発毛の効果を得やすいので、自己判断で育毛剤を使い始める前にAGA専門医に診てもらうことをおすすめします。

育毛剤と発毛剤の違いは?

育毛剤と発毛剤の主な違いはミノキシジルを含むかどうかです。育毛剤にはミノキシジルが含まれず、発毛剤には含まれています。

ミノキシジルは血管拡張作用を持つ成分であり、毛根部の細胞を活性化させ、髪を生やしたり太く成長させたりする作用が期待されます。

ミノキシジルが含まれた発毛剤は、市販薬の中でも副作用に注意が必要な「第1類医薬品」に分類されます。育毛剤と発毛剤の違いについては、以下の表をご参照ください。

 育毛剤発毛剤
分類医薬部外品第1類医薬品
購入方法ドラッグストアで購入できる薬剤師のいるドラッグストアまたはクリニックで購入できる
使用目的抜け毛を予防するAGAの治療
効果頭皮環境を改善する発毛を促す
副作用赤み・かゆみ・湿疹など血圧低下・めまい・動悸・息切れ・皮膚炎など

薄毛や抜け毛が進行している人には育毛剤よりも発毛剤が推奨されます。ただし、ミノキシジルを含む発毛剤は副作用に注意が必要なため、専門医の指導のもとで使用するほうが望ましいでしょう。

育毛剤の費用相場

育毛剤の費用はメーカーや用量などによって異なりますが、1回あたり3,000円〜10,000円で入手できる傾向にあります。AGA治療薬だと1ヶ月あたり7,000円〜15,000円の相場になるため、育毛剤のほうが安く済むことが多いでしょう。

ただし、どんなに高価な育毛剤を使用しても、ミノキシジルなどの成分が入っていなければ発毛やAGAの改善は基本的に期待できません。薄毛や抜け毛が気になりだしたら早めに専門医に相談して、自分に合った治療法を見つけることが大切です。

発毛効果を求めるならAGA治療を開始しよう

AGA治療に用いられる主要な薬剤についてご紹介します。

  • フィナステリド
  • デュタステリド
  • ミノキシジル

「フィナステリド」と「デュタステリド」は、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)を生成する5αリダクターゼという酵素の阻害によって効果が期待され、「ミノキシジル」は髪の毛を作る細胞を活性化することによってAGA治療の効果が期待されます。

フィナステリド

フィナステリドは、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成に関係する「5αリダクターゼ」のⅡ型を阻害します。短くなったヘアサイクルを元に戻すことによって抜け毛を予防する効果が期待され、初期段階のAGAに用いられる傾向があります。

どのAGA治療薬にも共通することですが、治療を開始してすぐに効果を感じるものではなく、3〜6ヶ月は使用を継続することが推奨されます。

フィナステリドの副作用には性欲減退や勃起不全、注意が必要なものには肝機能障害などです。フィナステリドの使用が気になる人は、クリニックで診察や検査を受けてから処方を受けましょう。

デュタステリド

デュタステリドはジヒドロテストステロン(DHT)を生成する5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。

フィナステリドよりも長く体内に残ることからAGAの進行をより抑制しやすいと考えられ、費用もフィナステリドより少し高い傾向です。

期待される効果に比例して性欲減退・勃起不全・肝機能低下などの副作用の報告件数は、フィナステリドよりも多いといわれています。

デュタステリドが気になる場合も専門医に相談して、その特性やリスク、ご自身の体の状況を理解することから始めましょう。使用上の注意などを理解した上で、治療法を選択することが大切です。

ミノキシジル

ミノキシジルは元々高血圧の治療薬として認可されていた薬です。臨床試験中に発毛作用があることが分かったことがきっかけでAGA治療に用いられるようになりました。

ミノキシジルは血管を拡張させて毛根部にある細胞に酸素や栄養を行き渡らせることによって発毛効果を発揮するため、作用機序はフィナステリドやデュタステリドのような5αリダクターゼ阻害薬とは異なります。

作用機序が異なることから、ミノキシジルはフィナステリドやデュタステリドとの併用が可能な薬剤です。

ミノキシジルには外用薬と内服薬があります。内服薬の使用時には血圧低下・めまい・頭痛・動悸などが、外用剤では頭皮のかゆみや皮膚炎といった副作用が起こる場合があります。

AGA治療薬と育毛剤に関するよくある質問

最後に、AGA治療薬や育毛剤に関してよくある質問を2つご紹介します。

ミノキシジル配合の育毛剤は効果ある?

ミノキシジルが配合された育毛剤は、他に市販されている育毛剤よりも効果が期待できると考えられます。

ただし、ミノキシジルの濃度が頭皮に適していないとかぶれなどの炎症を引き起こして、育毛や発毛の効果が得られない可能性があります。

頭皮環境が悪化すると薄毛や抜け毛が進行する場合もあります。ご自身の体質や薄毛の進行状態に適したミノキシジルを医療機関で処方してもらうとよいでしょう。

女性でも市販の育毛剤を使ってもよい?

薄毛や抜け毛が気になっている女性の方は女性向けに販売されている育毛剤を選びましょう。

男性用の育毛剤は清涼感を出すためにアルコール類が含まれていたり、有効成分が多めに配合されていたりする傾向にあるため、女性が使うと皮膚トラブルが生じる場合があります。

女性の薄毛の原因は、過度なダイエットによるものや更年期や出産に伴うものなど、男性とは異なることが多いです。女性の頭皮は乾燥しやすいという特徴もあるため、女性用の育毛剤には保湿成分や肌に優しい成分、ホルモンバランスを整える成分なども含まれている製品を選びましょう。

ただし、薄毛や抜け毛が進行してからでは育毛剤による効果が得られにくくなる点は男性と共通しています。薄毛が気になる方は早めに医療機関に相談してください。

また、妊娠中や産後で授乳中の方は胎児に影響が出る場合もあるため、自己判断による育毛剤の使用は控えて、専門医に相談することをおすすめします。

まとめ

育毛剤は、AGA治療薬や発毛剤と比べると効果は限定的で、直接的に髪を発毛させる作用までは期待できません。

早い段階で適切な治療を開始すると発毛効果は高いため、薄毛が気になり出している人は髪や頭皮の状態に合った治療を専門医に相談するとよいでしょう。

Dr.AGAクリニックでは、経験と実績のある医師がお一人おひとりの薄毛の進行度に合わせた治療法を提案しています。 治療を始めていただきやすいように初月は980円としており、オンライン診療にも対応しております。「最近、薄毛が気になってきた」「どの薬が自分に合っているのか診てほしい」という人は、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修医師
総院長

Dr.AGAクリニック総院長 坂口海雲

H21 大阪市立大学医学部 卒業
H23 大阪市立大学循環器内科 入局
H23 ベルランド総合病院
H24 川崎病院 臨床助教
H25 大阪市立大学病院
H28 福島吉野スマイル内科・循環器内科 開院
R2  Dr.AGAクリニック 総院長就任

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