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頭皮湿疹の原因は枕にもあった!?かゆみをなくして快適に

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「なんだか頭がかゆい」「頭皮に赤いぶつぶつができている」などといった頭皮のことでお悩みの方はもしかしたら頭皮湿疹かもしれません。頭皮環境が悪いと快適に過ごすことができなかったり、悪化すると脱毛や薄毛につながることもあります。

そこでこの記事では頭皮湿疹の原因や予防法から治療法までお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

頭皮湿疹の症状とは

頭皮湿疹とは病名ではなく頭皮が炎症を起こして湿疹の症状が出ている状態のことを指します。頭皮湿疹にはさまざまな種類があり原因や症状が違いますが、共通している部分がいくつかあるため主な症状をお伝えしていきます。

頭皮の湿疹症状

湿疹の代表的な症状は、かゆみ、赤み(紅斑:こうはん)、ブツブツ(丘疹:きゅうしん)、水ぶくれ(水疱:すいほう)などがあります。症状の経過とともに、患部がただれて潰瘍になったり、かさぶた(痂疲:かひ)ができたり、皮膚片がポロポロと落ちるいわゆるフケ(落屑:らくせつ)などの症状が出ることがあります。

頭皮が荒れてシャンプーで刺激を感じる

炎症が起きている部分はただれたり、かさついている状態で外部からの刺激に弱くなっています。そういう状態のところにシャンプーや整髪料に含まれる成分が触れると、強い刺激が与えられてヒリヒリとした痛みが起こります。

頭皮湿疹の原因となる疾患

頭皮湿疹の原因となる疾患は大きく分けて6つあります。

  • 接触性皮膚炎
  • 脂漏性皮膚炎
  • 皮脂欠乏性湿疹
  • 膿痂疹
  • アトピー性皮膚炎
  • 蕁麻疹

これらの疾患についてそれぞれ説明していきます。

接触性皮膚炎

接触性皮膚炎とはいわゆる「かぶれ」のことで、皮膚になんらかの物質が触れてそれが刺激やアレルギー反応となって炎症を起こしかゆみや発疹が生じたものです。接触皮膚炎には、皮膚に触れる物質の刺激が強いために生じる「刺激性接触皮膚炎」と皮膚に触れる物質にアレルギーがある場合に生じる「アレルギー性皮膚炎」があります。基本的には原因物質が触れた場所に生じます。

頭皮に接触性皮膚炎が起きる場合、シャンプーや整髪料などのヘアケア商品などが起因となって発症することがあります。また、ヘアゴムやアクセサリーなどにアレルゲンがありそれに触れることでアレルギー反応が出る可能性もあります。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎とは皮脂の分泌が盛んな、生え際や耳の後ろなどの頭皮にできる湿疹です。主な症状は赤みやかゆみ、フケです。原因はマラセチアという皮膚に常在しているカビ(真菌)の一種が、皮脂を栄養として異常繁殖することで、皮膚に炎症が起きると考えられています。シャンプーの過不足やストレス、ホルモンバランスの乱れなどで皮脂が過剰に分泌されることが関係しているとされています。

皮脂欠乏性皮膚炎

皮脂欠乏性湿疹は、脂漏性皮膚炎とは逆に皮脂の分泌量が少なく、頭皮の乾燥が原因で起きる炎症です。症状としては、かゆみや赤みとともに、うろこ状のフケが剥がれ落ちるのが特徴です。

皮脂の分泌低下が起きる原因としては、加齢による皮脂量の低下や生まれ持った肌質、シャンプーのしすぎや高温でのシャワー使用などが考えられます。

膿痂疹

膿痂疹(のうかしん)は、かゆみや痛みを伴って黄色いかさぶた・水ぶくれなどの湿疹が現れた状態で「とびひ」とも呼ばれます。ブドウ球菌や化膿レンサ球菌などが関連しているとされ、頭皮にできた傷から細菌が入り込むことで発症します。頭を激しくかきむしったり爪を立てて髪を洗うことは頭皮を傷付けてしまう恐れがあるため注意が必要です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、赤みやジュクジュクとした湿疹とともに強いかゆみを伴う疾患で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。

発症する方の多くはアトピー素因というアトピーやアレルギー疾患の既往歴・家族歴などを持っているといわれています。精神的なストレス、気温や湿度変化、ダニやカビ、スキンケア用品などが誘発要因となり、複数の要因が重なって発症すると考えられています。

蕁麻疹

蕁麻疹(じんましん)は、皮膚に1~2mmほどの赤い盛り上がりがくっきりと現れるとともに、かゆみを生じる疾患です。蕁麻疹の原因は、アレルギー性のものと、気温・日光・ストレスなどに反応して突発的に起こる非アレルギー性のものがあります。
数分から数時間ほどの時間経過に伴って消えるのが基本ですが、長い場合だと1日続くケースもあります。

頭皮湿疹にならないために

頭皮湿疹が起きないようにするために、まずは日常生活でできることから取り組んでいきましょう。

枕カバーを定期的に洗う

私たちは1日のうち約1/3の睡眠時間があり、その時間髪や頭皮と密接に触れているのは枕になります。睡眠中の寝汗や皮脂やフケなどさまざまな汚れが付着した枕カバーを洗わないでいることは、雑菌の繁殖の温床になります。枕の汚れが頭皮に付くと炎症を引き起こし頭皮湿疹のリスクにつながります。雑菌が頭皮環境に悪影響を及ぼす前に枕には枕カバーを付けて、週に1~2回は洗うようにして清潔を保つようにましょう。

頭皮タイプに合ったシャンプーを使う

頭皮の健康状態を良好に保つためには、頭皮タイプに合ったシャンプーを使うことを意識しましょう。

頭皮タイプ特徴適切なシャンプー
乾燥肌皮脂分泌量が少なく、フケやかゆみが生じやすいマイルドな洗い上がりのアミノ酸系シャンプー
オイリー肌皮脂分泌量が多く、髪のベタつきが目立つスッキリと洗い上げるアルコール系シャンプー
普通肌適度にうるおっておりベタつきやカサつきもない頭皮に合った好みのシャンプー

乾燥肌の方は、うるおいを保持しやすいアミノ酸シャンプーを使いましょう。アミノ酸シャンプーは洗浄力を残しつつ肌への刺激が弱いため、必要な皮脂を残してくれます。

一方で、皮脂汚れが気になる脂性肌の方は、洗浄力が高いアルコール系シャンプーを使用しましょう。1日で蓄積された過剰な皮脂をきれいに取り除いてくれるため、清潔な頭皮環境の維持が可能です。

頭皮タイプに合ったシャンプーを使用し、健康的な頭皮を目指しましょう。

正しい方法で洗髪する

シャンプーのとき爪を立てていると頭皮を傷つけてしまい、細菌の侵入及び頭皮湿疹のリスクにつながります。そうならないためにも、正しい方法で洗髪できているか見直してみましょう。以下のポイントを押さえると、頭皮状態を良好に保てます。

  • ぬるま湯で十分に頭皮と髪を濡らし汚れを落とす
  • シャンプーを頭にのせる前に泡立てる
  • 指の腹でマッサージするように洗う
  • 泡が残らないように念入りにすすぐ

熱いお湯は、うるおいのために必要な皮脂まで取り除いてしまうため、38℃程度のぬるま湯で洗髪します。頭皮を傷つけないように指の腹でやさしく洗ったあとは、後頭部や側頭部まで念入りにすすぎましょう。

頭皮湿疹になった場合の治し方

頭皮湿疹の治療には、次の3つの方法があります。

治療方法使用される主な症状
外用薬を使う・脂漏性皮膚炎
・接触性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎
・皮脂欠乏性皮膚炎
・膿痂疹
内服薬を使う・アトピー性皮膚炎
・膿痂疹
・蕁麻疹
抗真菌薬入りのシャンプーを使う・脂漏性湿疹

それぞれ詳しく解説します。

外用薬を使う

頭皮湿疹の治療には、主に外用薬が使われます。以下は、薬別の得られる効果です。

薬の種類効果
ステロイド外用薬頭皮のかゆみや赤みなどの炎症抑制
抗真菌剤マラセチア菌の殺菌
抗生剤黄色ブドウ球菌や化膿レンサ菌の死滅

外用薬による副作用は、にきびや皮膚の萎縮などが挙げられます。体内への大きな影響もなく、手軽に始められる治療といえるでしょう。

外用薬は、症状の改善が期待できますが、用量用法を守らなければ正しい効果を得られないため、医師の指示に従って使い続けることが重要です。

内服薬を使う

内服薬は、アレルギー反応によって起こるかゆみや皮膚の腫れの軽減に用いられます。一般的には「抗ヒスタミン剤」が処方され、頭皮湿疹の中では、アトピー性皮膚炎や膿痂疹、蕁麻疹が対象となります。

内服薬による治療は、あくまでも症状を軽減する対症療法であるため根本的な改善は目指せません。副作用のひとつとして「眠気」があるため、服用後に車を運転する場合は注意が必要です。

また、肝臓や腎臓が悪い方は重篤な副作用が現れる可能性があるため、あらかじめ医師に伝えておきましょう。

抗真菌薬入りのシャンプーを使う

マラセチア菌が原因である脂漏性湿疹の場合は、抗真菌剤入りのシャンプーを用いて治療することがあります。ステロイド外用薬に比べると改善までに時間はかかりますが、副作用の心配は少なくなります。
抗真菌薬入りシャンプーは、薬局でも購入できますが、まずは医師の診察を受けましょう。頭皮湿疹の原因がマラセチア菌でない場合、抗真菌薬入りシャンプーを使っても効果がないためです。適切な治療で確実に症状を改善するためにも、自己判断ではなく原因が特定できてから使用するようにしてください。

頭皮湿疹が治らないと抜け毛のリスクも

頭皮のかゆみや湿疹を放置していると、以下のようなリスクが発生します。

  • かゆみがさらに悪化する
  • フケが出る
  • 抜け毛が増えて薄毛が進行する

頭皮環境が悪い状態のままでいると、毛穴が炎症するためかゆみが悪化につながります。また、かゆみに耐えられず爪で掻いてしまうことで頭皮が傷つき、フケが出たりかゆみが増したりする悪循環に陥るでしょう。

そして、皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりや乾燥によるバリア機能の低下により、抜け毛が生じるようになります。抜け毛は男性に多いイメージですが、女性がなりうる可能性も十分あります。

抜け毛が増えると薄毛になるため、頭皮の湿疹や赤みなども目立つようになるでしょう。頭皮湿疹が治らないと症状が悪化するなどのリスクを伴うため、早急に医療機関を受診するのが大切です。

薄毛でお悩みの方へ。あきらめない!薄毛・AGAは医療治療で!
この記事の監修医師
総院長

Dr.AGAクリニック総院長 岩槻 快樹

2019年 大阪市立大学医学部卒業
2019年 大阪市立大学医学部附属病院
2021年 医療法人杏和会 阪南病院
2022年 Dr.AGAクリニック大阪梅田院 院長就任
2024年 Dr.AGAクリニック 総院長就任

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