AGA治療

初期脱毛はなぜ起こる?ミノキシジルが原因?確率や終わる兆候を解説

AGA治療

「AGA治療を始めたのに、なぜか抜け毛が目立ってきた」
「抜け毛が増えるくらいなら、治療をやめた方がよいのではないか」
「ミノキシジルを使用すると抜け毛が発生すると聞くけど、どのぐらいの確率で起きるの?」

このような疑問や心配はありませんか?
薄毛治療でミノキシジルなどのAGA治療薬を使用後に抜け毛が増える現象を「初期脱毛」といいます。初期脱毛は一過性の脱毛症状であり、むしろこれから髪の毛が増える過程で大切な現象です。
では、多くの人を不安にさせてしまう初期脱毛はなぜ起きてしまうのでしょうか? 今回は、主にミノキシジルとデュタステリドを対象にしながら、初期脱毛のメカニズム・起こる期間や確率・対処方法などを詳しく解説します。初期脱毛を正しく理解し、AGA治療を継続していきたい方は参考にしてみてください。

初期脱毛が起こる理由と確率

初期脱毛が起こる理由は、AGA治療薬の作用により、ヘアサイクルが正常に戻ろうとするためです。起こる確率としても、薄毛治療を開始した方の約10%にみられる症状といわれるため、決して珍しい症状ではありません。
まずは、初期脱毛が起こるメカニズムについて確認していきましょう。

初期脱毛が起こる仕組み

まず、初期脱毛を理解するうえでは欠かせない「ヘアサイクル」について解説します。
髪には、抜けては生えてを繰り返すヘアサイクルがあります。ヘアサイクルには「休止期」「成長期」「退行期」があり、約2〜6年を1サイクルとして繰り返します。

  • 休止期:髪の毛の成長が止まり抜け落ちる期間
  • 成長期:髪の毛が活発に成長する期間
  • 退行期:髪の毛の成長が鈍化し、毛根が小さくなっていく期間

AGAになるとこのヘアサイクルが数カ月〜1年ほどと短くなり、髪の毛が成長しきる前に抜け落ちてしまいます。
AGA治療薬を使用するとヘアサイクルが正常な状態に戻りはじめるため、古い髪の毛を押し出すように新しい髪の毛が生えてきます。このときに生じるのが初期脱毛です。
初期脱毛は、正しいヘアサイクルで成長する髪の毛が新しく生えてくるサインであるため、多くの場合は心配しすぎる必要はありません。

ミノキシジルと初期脱毛

ミノキシジルは、血管拡張作用によって頭皮に送られる血流を改善します。これにより、髪の成長に必要な毛母細胞が活性化され、毛乳頭が毛細血管から栄養を受け取りやすくなるため、発毛の促進が期待できます。
ミノキシジルには、この発毛促進効果があるため、新しく健康な髪の毛への生え替わりを後押しする力があり、結果としてAGA治療薬の中でも初期脱毛が比較的に起こりやすいという特徴があります。
参照:ミノキシジルとは?効果や副作用、使用方法や注意点を解説

デュタステリドと初期脱毛

デュタステリドは、人間の体内に存在する還元酵素「5αリダクターゼ」Ⅰ型・Ⅱ型の働きを阻害して、男性ホルモン「テストステロン」との結合を防ぐことで、「ジヒドロテストステロン(DHT)」が生成されることを抑制します。
デュタステリドには、薄毛の要因となるジヒドロテストステロンを抑える働きがあるために、乱れたヘアサイクルを正常に戻す力があり、結果的に初期脱毛を引き起こすことがあります。ただし、発毛促進効果はないため、ミノキシジルと比較すると初期脱毛が起きる可能性は低いといえます。

初期脱毛が起こってもAGA治療薬の服用・使用を中止するのはNG

初期脱毛の症状があっても、AGA治療を中止するのはお勧めしません。先述したように、初期脱毛は乱れたヘアサイクルを正常化させるために必要な過程です。
抜け毛を目の当たりにすると、不安になる気持ちはわかりますが、初期脱毛はむしろミノキシジルやデュタステリドが効いている証拠ともいえます。
AGA治療の効果を得るためには、初期脱毛の段階を乗り越える必要があります。AGA治療における初期脱毛の仕組みを理解し、治療を続けることが大切といえるでしょう。

AGA治療による初期脱毛の見分け方

AGA治療を開始し、抜け毛が増えたとしても、AGA治療による初期脱毛ではない可能性もあります。AGA治療による初期脱毛とほかの要因との見分け方は、以下の2つの方法です。

  • 頭皮の状態で見分ける
  • 抜けた毛で見分ける

AGA治療による初期脱毛以外の要因で脱毛症状がある場合、なんらかの疾患が影響している可能性があります。ここでしっかりと確認しておきましょう。

頭皮の状態で見分ける

AGA治療による初期脱毛の見分け方として、頭皮の状態を確認する方法があります。何かしらの原因により頭皮トラブルを抱えている場合、頭皮の状態が原因で抜け毛が増えている可能性があるからです。

たとえばフケが増えてきたときです。フケは脂漏症ともいわれ、菌が頭皮や毛包(一般的には毛穴と呼ばれる)などに炎症を引き起こします。フケが続いているのにもかかわらず放置をした場合、毛根が弱り抜け毛が増える可能性があるのです。

また頭がかゆい場合には、皮膚炎や乾燥が疑われます。かゆみ症状を伴う頭皮トラブルも抜け毛の要因となるため注意が必要です。

頭にフケが増えたり、かゆみ症状があったりする場合は、AGA治療による初期脱毛ではない可能性があるのを把握しておきましょう。

抜けた毛で見分ける

また、抜けた毛で見分ける方法もあります。AGA治療による初期脱毛で抜け落ちた毛は、細くて短い産毛のような毛がほとんどです。

一方で、長い髪の毛が抜け落ちる場合には、以下のような要因が考えられます。

  • 過度なダイエット
  • ストレス
  • 甲状腺機能低下症
  • 副腎皮質機能不全症
  • 亜鉛欠乏症
  • エリテマトーデス(自己免疫疾患)
  • 感染症による脱毛症

このように、長い髪の毛が抜け落ちる場合には、さまざまな疾患が影響している可能性もあります。自己判断が難しい場合や不安がある場合には、クリニックへ相談するようにしましょう。

初期脱毛が起こる期間

初期脱毛が一時的な症状とはいえ、いつからいつまで続くのか気になるところです。初期脱毛が起こる期間には個人差があるためはっきりとした期間はいえませんが、目安は以下の通りです。

初期脱毛がはじまる期間治療を開始してから1〜1カ月半
初期脱毛が終わる期間治療を開始して1〜3カ月程度(治療開始6カ月後にはほとんどの方が無症状)

上記はあくまで目安であり、これより短かったり、反対に長くなったりする場合があります。

初期脱毛が終わる兆候はある?

初期脱毛が終わる兆候を見た目で判断するのは困難です。髪は元々抜けては生えてを繰り返しており、ヘアサイクルも髪の毛ごとに異なるため、目でみてわかる兆候はほとんどありません。ただし、たとえばミノキシジルであれば、傾向として、開始開始から2〜3ヵ月程度で初期脱毛が気にならなくなる人が多い、ということはいえます。
とはいえ、抜け毛のことをあまり気にし過ぎると、かえってストレスとなり心身ともに疲弊する場合があります。「最初の3ヵ月は髪が生え替わる大事な期間」ととらえて、不安になりすぎないように注意しましょう。

初期脱毛が止まらないときの対処法

初期脱毛は一時的なものとお伝えしましたが、抜け毛が止まらなくて不安になることもあるかもしれません。そこで、初期脱毛が止まらないときの対処方法を3つ紹介します。

髪の毛や頭皮を触りすぎない

初期脱毛が止まらないときは、髪の毛や頭皮を触りすぎないようにしましょう。頭皮や毛根にダメージを与えてしまうと、脱毛を促進してしまうおそれがあるからです。

たとえば、頭皮マッサージを控えるのもおすすめです。ほどよい刺激を与えるマッサージ程度であれば問題ありませんが、頭皮を強くこすったり爪を立てたりすると毛根にダメージを与えてしまう可能性があります。また、ヘアスプレーやヘアワックスの使いすぎも毛根へダメージを与えたり毛穴詰まりのきっかけを作ったりしてしまいます。

初期脱毛の期間中は特に、髪の毛や頭皮を触りすぎないように気をつけましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣の見直しも、初期脱毛を抑えるのに有効です。生活習慣は髪の毛の健康や、ヘアサイクルの正常化に大きく影響するからです。生活習慣の中でも、特に気をつけるべきなのが、睡眠・喫煙・飲酒の3つの習慣です。

睡眠

睡眠不足は頭皮へ悪影響を及ぼします。髪の毛の成長や健康なヘアサイクルには成長ホルモンが関わっています。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、睡眠不足に陥ると成長ホルモンが減少してしまいます。その結果、髪の毛に栄養が行き届かず抜け毛が増えてしまう可能性があるのです。

良質な睡眠をとるためのポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 就寝の2〜3時間前に入浴をする
  • 起床直後に光を浴び、反対に夜は明るい場所を避ける
  • コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲料は、就寝の5〜6時間前から控える

すべてを急におこなうのは難しいため、できることから取り入れてみましょう。

喫煙

たばこには有害物質が多く含まれており、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると、頭皮の血流を阻害するため、髪の毛への栄養が不足してしまいます。禁煙すると頭皮へのダメージが減少し、初期脱毛を抑えられる可能性があるため喫煙習慣の見直しが必要といえるでしょう。

ただし、禁煙によるストレスを抱えると、ストレスホルモンといわれるコルチゾールが多く分泌されるようになります。慢性的なストレスによるコルチゾール分泌量増加は、髪の毛の発毛を阻害する可能性があります。そのためストレスを抱えないように、少しずつ喫煙本数を減らしていくなどの工夫が必要です。

飲酒

アルコールも抜け毛を促進する要因になります。アルコールを過剰に摂取すると、髪の毛の成長に必要な亜鉛や銅、タンパク質などの栄養素の吸収を阻害します。

また、アルコールはAGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)を増加させる可能性があります。DHTの増加は、AGAを促進してしまうため、脱毛が増える要因につながります。

症状がひどい場合はクリニックに相談する

上記の方法をためしてみても初期脱毛が止まらない場合や、症状がひどい場合には、クリニックに相談するようにしましょう。

クリニックでは、現在の脱毛状況やほかにみられる症状を見極めながら、治療を継続するかどうかや治療方法の変更を検討してくれます。最適な治療方法が選択されることで、初期脱毛を最小限にとどめられるでしょう。

また脱毛の原因がAGA治療以外にあると判断された場合には、医師のアドバイスを受けられます。初期脱毛の症状が強く不安な場合には、専門医に相談するのもよいかもしれません。

初期脱毛に関するよくある質問

AGA治療における初期脱毛に関して、よくある質問を紹介します。

Q.初期脱毛の症状でどれくらい毛が抜ける?

初期脱毛で抜け落ちる毛の量は、個人差が大きく具体的な量や本数は提示できません。しかし、ほとんどの場合は見た目が大きく変わるほど抜け落ちることはありません。仮に、一気に髪の毛が抜け落ちる場合には、初期脱毛とは別の要因が考えられるため、クリニックへの受診をおすすめします。

Q.女性でも初期脱毛は起こる?

女性でも初期脱毛は起こります。しかし、先述したように、初期脱毛は治療の効果が出始めている証拠です。慌てずに、治療を継続するのが重要です。

薄毛でお悩みの方へ。あきらめない!薄毛・AGAは医療治療で!
この記事の監修医師
総院長

Dr.AGAクリニック総院長 岩槻 快樹

2019年 大阪市立大学医学部卒業
2019年 大阪市立大学医学部附属病院
2021年 医療法人杏和会 阪南病院
2022年 Dr.AGAクリニック大阪梅田院 院長就任
2024年 Dr.AGAクリニック 総院長就任

error_outline 当サイトのコンテンツはDr.AGAクリニック総院長 岩槻 快樹の監修により運営されております。