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発毛・育毛に効果あり!「IGF-1」を増やすには?

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「IGF-1」という言葉は日常生活ではあまり馴染みがないかもしれません。
IGF-1には、体にあるさまざまな組織を成長させる働きがあり、毛母細胞を活性化させ髪の毛の成長にも大切な役目を果たします。
今回の記事ではそんなIGF-1の働きと、発毛・育毛との関係について解説致します。

成長因子「IGF-1」

IGF-1とは「insulin-like growth factor-1」の略で、日本語では「インスリン様成長因子-1」、または「ソマトメジンC」とも呼ばれています。

思春期に背が伸び、筋肉がついて、徐々に子どもの体型から大人の体型へと変化する過程で、その成長を支えていたのが、思春期に脳下垂体から大量に分泌される成長ホルモンです。その成長ホルモンの働きによって肝臓や骨格筋などで産生される物質が「IGF-1」で、IGF-1がほぼ全身の細胞を刺激することで身体の成長に繋がります。

IGF-1にはほぼ全身の細胞を活性化させる効果があります。エイジングケアで若々しい肌を保つため、筋トレをするときに筋肉の発達させるため、そして髪の毛を育てるためにもIGF-1は必要不可欠です。

IGF-1は年齢と共に減少してしまう

IGF-1細胞の分泌量は乳児期から徐々に増加し、思春期の時期(10歳から17歳ごろ)にピークを迎え、20歳から30歳の間に急激に減少します。その後は歳を重ねるごとにどんどん減ってしまいます。

思春期をピークに身長が伸びなくなるといったことも、IGF-1が減少してしまうからです。高齢者でも一定量のIGF-1は存在しますが、筋肉の代謝に必要最低限のIGF-1を体内で維持しているだけであり、身体を成長させるほどの量は存在していません。

また髪の毛を作る基盤となる、毛母細胞の増殖も促す作用もありますので、加齢と共にIGF-1が減少することで薄毛のリスクも高くなってしまいます。

IGF-1を増やす方法

IGF-1細胞は一度分泌量が低下すると、増やすことはできないと言われてきました。

しかし最新の研究では、IGF-1細胞を日常生活の中でも増やすことが出来ると分かってきました。

以下に、日常生活の中でIGF-1を増やす方法をご紹介します。

運動

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をすると、脳下垂体から成長ホルモンが分泌されます。

すると肝臓からIGF-1細胞が分泌されるため、有酸素運動を取り入れることはIGF-1を増やすために効果的です。

またIGF-1を作り出しているのは肝臓だけではありません。IGF-1は筋肉に直接働きかけたり、筋サテライト細胞という幹細胞の増殖を促し、筋肉肥大にも関わっている成長因子です。

そのため、筋トレなどの筋肉を使う運動もIGF-1を増やす方法です。特に大腿四頭筋(太ももの前部)などの筋肉の大きな部位を中心にトレーニングを行うと効果的です。

入浴

ぬるめの湯船(38度から40度ぐらい)に、15分から20分を目安にゆっくりと浸かり、身体を温めることで副交感神経が活発になり、 IGF-1細胞が生成されます。

湯船の温度が熱すぎる、入浴時間が短くリラックスできていない、反対に入浴時間が長すぎてのぼせてしまう、といった場合は交感神経が優位になってしまい逆効果です。

但し寝る直前の入浴は寝つきを悪くしてしまいますので、就寝の2~3時間前を目安として入浴を行うように気をつけましょう。

睡眠

深い睡眠は成長ホルモンの分泌が促され 、さらに副交感神経の働きが高まってIGF-1細胞の生成にも有効です。

成長ホルモンは睡眠中に脳下垂体から分泌され、その成長ホルモンが肝臓からの IGF-1細胞の分泌を促します。

そして睡眠中にIGF-1 が各細胞の働きを高め、昼間のダメージから身体を回復させます。

髪の毛の成長にもIGF-1は欠かせませんので、良質な睡眠をとるように気をつけましょう。

唐辛子(カプサイシン)

IGF-1は、知覚神経を刺激すると分泌が活発になります。

唐辛子に含まれる辛味成分のカプサイシンを皮膚に塗ると、およそ30分後からIGF-1の濃度が増加し始めることが分かっており、一度塗布すると3時間程度IGF-1の濃度が高いまま保たれます。

これは知覚神経を刺激すると、IGF-1の材料となるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が多く放出されるため、IGF-1が増えやすくなるためです。

体内から摂取しても同様の働きがありますので、直接皮膚に塗る必要はありませんが、唐辛子を積極的に食生活に取り入れ摂取することもオススメです。

大豆(イソフラボン)

また、大豆食品に多く含まれるイソフラボンも、体内でIGF-1の生成をサポートしてくれます。

前述のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、本来女性ホルモンから作られているのですが、大豆に含まれるイソフラボンには女性ホルモンと同様の働きがあり、大豆製品を食事に取り入れることでCGRPを増やすことができます。

イソフラボンでCGRPを増やし、カプサイシンでそのCGRPをしっかりと放出することで、最も効率よくIGF-1を増やすことができます。

唐辛子と大豆の両方を、積極的に食生活に取り入れることが最もオススメです。

IGF-1は発毛・育毛に効果あり

髪の毛の成長にとってもIGF-1は必要不可欠で、成長ホルモンが毛根に作用すると、髪の毛のもとになる毛母細胞を養う毛乳頭細胞でIGF-1が大量に作られます。一方、毛母細胞にはIGF-1を受け取るアンテナのような存在・受容体が生まれます。

毛乳頭細胞で大量に作られたIGF-1が受容体に作用すると、髪の毛の成長期が長くなります。成長期が長くなることで抜け毛の減少、また長く成長することでより太く強い毛に育ちますので、髪の毛のボリュームアップにも繋がります。

またIGF-1には髪の毛のタンパク量を増やす働きがあります。髪の毛の約80%はタンパク質で出来ていますので、タンパク質を増やすことは健康な髪の毛づくりにとても有効です。

この様にIGF-1を体内で増やすことは発毛や育毛にとっても重要です。しかし男性型脱毛症(AGA)は男性ホルモンに起因しており、既にAGAを発症されている場合は、IGF-1を増やすだけでは改善が見込めないかもしれません。その様な場合には、専門の医療機関で受診することをオススメ致します。

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この記事の監修医師
総院長

Dr.AGAクリニック総院長 岩槻 快樹

2019年 大阪市立大学医学部卒業
2019年 大阪市立大学医学部附属病院
2021年 医療法人杏和会 阪南病院
2022年 Dr.AGAクリニック大阪梅田院 院長就任
2024年 Dr.AGAクリニック 総院長就任

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