頭皮環境の改善

発毛・育毛に効果はある?「IGF-1」を増やすには

頭皮環境の改善

「IGF-1」という言葉は日常生活ではあまり馴染みがないかもしれませんが、体内のさまざまな組織の成長・維持に関与する物質として知られてきています。

この記事ではそんなIGF-1の働きと、発毛・育毛との関係について解説致します。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状や治療法については必ず医師の診察を受けてください。効果には個人差があります。

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IIGF-1とは?

IGF-1とは「insulin-like growth factor-1」の略で、日本語では「インスリン様成長因子-1」または「ソマトメジンC」とも呼ばれます。

人が子どもから大人の体型へと成長する過程を支えるのが、思春期に脳下垂体から大量に分泌される成長ホルモンであり、その成長ホルモンの働きによって主に肝臓や骨格筋などで産生される物質がIGF-1です。

IGF-1と発毛・育毛の関係性

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IGF-1と発毛・育毛の関係性については、現時点で基礎研究や動物研究、限られたヒトの観察研究ではありますが報告されています。

  • AGA薄毛部ではIGF-1系が低下しており、毛包の縮小・ヘアサイクルの成長期の短縮に関与している可能性を示唆

出典:Comparative Study of Some Potential Paracrine Factors Produced by Normal and Androgenetic Alopecia Hair Follicles(Alwaleedi, 2015)

  • ヒト毛包の器官培養でIGF-1を添加すると、毛軸の伸長速度が上がり(約0.10 mm/日 vs 対照0.08 mm/日)、12日累積伸長も有意に増加

出典:Effect of IGF-I on Hair Growth Is Related to the Anti-Apoptotic Effect of IGF-I and Up-Regulation of PDGF-A and PDGF-B(Annals of Dermatology, 2012)

ただし、IGF-1にはAGAの主な原因の1つであるジヒドロテストステロン(DHT)を抑制する効果はありません。そのため、既にAGAが進行している場合には、IGF-1を増やすだけで症状を改善することは難しいといえます。

IGF-1は年齢とともに減少する

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IGF-1の分泌量は乳児期から徐々に増加し、思春期(10歳~17歳ごろ)にピークを迎え、20代~30代の間に比較的急速に減少します。その後は歳を重ねるごとに徐々に少なくなっていきます。ちなみに、思春期をピークに身長が伸びなくなるのは、このIGF-1が減少してしまうことも一因です。

なお、高齢になっても体内では一定量のIGF-1が産生され続けますが、若年期と比較するとその量は減少するため、さまざまな体内組織の機能維持に活用されるものの、身体を成長させることは難しくなります。

出典:日本人のインスリン様成長因子-1 (IGF-I) 濃度の基準範囲(厚生労働科学研究成果データベース)

毛髪の成長をサポート!IGF-1を増やす方法

前述のとおり、IGF-1は加齢とともに減少する傾向がありますが、日常生活の中での特定の習慣がIGF-1のレベルに影響を与える可能性があることが示唆されています。

Dr.AGAクリニックでは、毛髪の健康維持をサポートするために、以下の生活習慣を推奨しています。

運動

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ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をすると、脳下垂体からの成長ホルモン分泌が促進される可能性があります。成長ホルモンは肝臓でのIGF-1産生を刺激することから、適度な有酸素運動は間接的にIGF-1レベルに好影響を与える可能性があります。

また、筋トレも重要です。研究によれば、筋肉でもIGF-1が局所的に産生されることが示されています。特に大腿四頭筋(太ももの前部)などの筋肉の大きな部位を中心にトレーニングを行うと、全身のIGF-1レベルによい影響を与える可能性があります。

※これらはIGF-1関連指標や全身の健康に寄与する可能性はありますが、発毛の臨床的改善を直接保証するものではありません。

入浴

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ぬるめの湯船(38度~40度ぐらい)に15分~20分を目安にゆっくりと浸かることでリラックス効果が得られ、副交感神経の活動が高まります。このようなリラックス状態は、ホルモンバランスを整える可能性があり、間接的に成長ホルモンやIGF-1の産生に良い影響を与える可能性があります。

ただし、熱すぎるお湯や長時間の入浴はストレス反応を引き起こす可能性があるため、適度な温度と時間を心がけましょう。また、就寝の2~3時間前に入浴するのが理想的です。

※現時点で入浴自体がIGF-1を直接上昇させるヒトの強固なエビデンスは限られます。

睡眠

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質の良い睡眠は成長ホルモンの分泌と密接に関連しています。成長ホルモンは主に深い睡眠(ノンレム睡眠)の間に分泌され、このホルモンが肝臓などでのIGF-1産生を促します。

十分な睡眠時間の確保と睡眠の質の向上は、IGF-1レベルの維持に寄与する可能性があります。また、睡眠中はIGF-1が細胞の修復や回復を助ける時間でもあります。

※睡眠改善は毛髪の土台作りとして推奨されますが、IGF-1を介した発毛効果は確立していません。

IGF-1に関しては当院の各種サービスでご相談ください

当院では、ご来院の際にカウンセリングの中で患者様の疑問や質問にお答えしております。

  • 運動改善相談サービスでは、血行促進やストレス軽減など、髪の健康に良い影響を与える可能性のある運動習慣についてお伝えしております。
  • 睡眠改善相談サービスでは、寝不足や睡眠の質など、髪の健康に悪影響を与える可能性がある睡眠習慣の改善についてお伝えしております。

ぜひお気軽にご相談ください。

薄毛でお悩みの方へ。あきらめない!薄毛・AGAは医療治療で!
この記事の監修医師
総院長

Dr.AGAクリニック総院長 岩槻 快樹

2019年 大阪市立大学医学部卒業
2019年 大阪市立大学医学部附属病院
2021年 医療法人杏和会 阪南病院
2022年 Dr.AGAクリニック大阪梅田院 院長就任
2024年 Dr.AGAクリニック 総院長就任

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