「頭皮が臭い」と感じる瞬間はありませんか?
頭皮のにおいは、皮脂の過剰分泌による頭皮環境の悪化を示す重要なサインです。適切に対策しなければ、フケやかゆみ、さらには薄毛につながる恐れがあります。
本記事では、頭皮が臭くなる原因と対策について、わかりやすく解説します。
頭皮のにおいの確認方法についてもお伝えするため、頭皮が臭いと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
頭皮が臭い原因

頭皮が臭い原因は、皮脂が過剰に分泌されているからです。頭皮の皮脂は、外的刺激から皮膚を守ったり、水分蒸発を防いだりする役割がある重要な要素です。
しかし、誤ったシャンプーや生活習慣の乱れなどによって皮脂が過剰に分泌されると、皮脂をエサとする雑菌が繁殖します。
頭皮に雑菌が繁殖している状態が、頭皮が臭くなる原因です。頭皮のにおいを放置すると、フケやかゆみが出て、薄毛につながるリスクもあります。頭皮は体のなかで、もっとも皮脂腺の数が多く、皮脂の過剰分泌が起こりやすい箇所です。一般的に女性より男性のほうが、皮脂分泌量が多く、頭皮が臭くなりやすい傾向にあります。
頭皮の皮脂が過剰分泌されてしまうのはなぜ?

頭皮の乾燥や蓄積された汚れなどにより頭皮環境が乱れると、肌を守るために皮脂が過剰に分泌されます。頭皮環境を悪化させる原因として、以下の5つの項目が挙げられます。
- 誤った方法でのシャンプー
- 偏った食生活
- 睡眠不足
- ストレス
- 皮膚トラブル
頭皮環境を悪化させる原因について理解し、頭皮のにおい対策へと進みましょう。
誤った方法でのシャンプー
「誤った方法でのシャンプー」は、頭皮の肌トラブルや乾燥を引き起こし、頭皮の皮脂が過剰分泌される原因のひとつです。
誤ったシャンプー方法によるケアは、頭皮の肌トラブルや乾燥を引き起こします。頭皮環境の乱れや乾燥から皮膚を守るために、皮脂が過剰に分泌され、頭皮のにおいにつながるからです。
誤ったシャンプー方法については、以下の項目を確認してみてください。
- 洗浄力の強いシャンプー剤を使用する
- 髪が絡まったままシャンプーする
- 予洗いせずにシャンプー剤をつける
- 爪を立ててゴシゴシ洗う
- リンスやコンディショナーを頭皮に直接つける
- すすぎをしっかり行わない
無意識のうちに誤ったシャンプー方法が習慣になっている可能性があります。当てはまる項目がないか、思い返してみましょう。
偏った食生活
「偏った食生活」も、頭皮の皮脂が過剰分泌される原因です。食生活は、頭皮の皮脂と深くかかわっています。
脂っこいものばかり食べていると、常に皮脂が過剰に分泌されやすい状態になります。脂質の取りすぎは、血行不良を引き起こし、頭皮に栄養が届かず薄毛の原因になってしまうのです。
食べすぎや飲みすぎも、頭皮のターンオーバーが乱れる原因となり、皮脂の過剰分泌につながります。頭皮環境に影響を与える高脂質・高カロリーの食べ物は以下のようなものが挙げられます。
【脂質の多い食べ物】
- 揚げ物
- ハンバーガー
- ラーメン
- 肉類
- 洋菓子
- スナック菓子
- ジュース
上記の食べ物も、適度に摂取する分には問題ありませんが、過度の摂取は控えましょう。
睡眠不足
「睡眠不足」も頭皮の皮脂が過剰分泌される原因です。成長ホルモンは、睡眠中に活発になり、細胞のダメージを修復する作用のあるホルモンです。
睡眠が不足すると、成長ホルモンの分泌量低下によりダメージ修復ができず、弱った頭皮を保護するために皮脂の分泌が盛んになります。
以下のグラフからわかるように、成長ホルモンは、眠りはじめの時間帯にとくに多く分泌されるのが特徴です。

引用元:国土交通省「睡眠改善の重要性と睡眠、眠気マネジメント」P3
良質な睡眠が取れていないと、眠りはじめの時間帯に深い睡眠に入れず、成長ホルモンの分泌を妨げる恐れがあります。
健康な頭皮を保つためには、睡眠時間の確保だけでなく、良質な睡眠が取れているかも重要です。
ストレス
「ストレス」も、皮脂の分泌と深くかかわる原因です。ストレスにより精神的不安を抱えると、ホルモンバランスを崩し、男性ホルモンが増加します。
皮脂の分泌を促す男性ホルモンの増加により、頭皮の皮脂の過剰分泌につながるでしょう。ストレス状態が続くと血行不良を引き起こし、頭皮のターンオーバーの乱れからフケも発生しやすくなります。
皮膚トラブル
「皮膚トラブル」は、脂漏性皮膚炎の原因になります。脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌量が多い箇所にできる湿疹です。頭皮は皮脂量が多く、脂漏性皮膚炎が起きやすい部位といえます。
脂漏性皮膚炎には、主に以下の症状があります。
【脂漏性皮膚炎の症状】
- 赤み
- かゆみ
- かさつき
- フケ
脂漏性皮膚炎は完治が難しく、再発しやすい病気です。症状が続く場合は、早めに医師の診察を受ける必要があります。
自分の頭皮のにおいを確認する方法

自分の頭皮のにおいを確認する簡単な方法を紹介します。頭皮のにおいを確認するために、以下の3つの方法を試してみてください。
【自分の頭皮のにおいを確認する方法】
- 枕や帽子のにおいをチェックする
- 頭皮を軽く指でこする
- 乾いた頭皮にドライヤ―の風を吹きかける
枕や帽子は頭皮と密着するため、においを確認するのに効果的です。
頭皮を軽く指でこすり、指に残ったにおいを嗅ぐのも有効です。皮脂が直接指につくため、頭皮が臭いかどうかを判断できるでしょう。
頭皮が臭い場合、洗髪前の乾いた頭皮にドライヤーの風を吹きかけると、においが漂ってくる場合があります。後頭部から前に向かってドライヤーの風をあてるとわかりやすいでしょう。
頭皮のにおいが気になる際の対策

頭皮のにおいが気になる際の対処法として、以下の方法が有効です。
- シャンプーを見直す
- 正しい方法でシャンプーをする
- 生活習慣を見直す
- クリニックで相談する
シャンプーの見直しや、正しいシャンプー法がすこやかな頭皮環境を保つのに重要です。生活習慣も頭皮環境に影響を与えます。頭皮が臭くなるのを防ぐためには、規則正しい生活を心がける必要があります。
頭皮のにおい対策をしばらく継続しても症状が改善されない場合は、専門クリニックの受診がおすすめです。頭皮のにおいが気になる際の対策法について、詳しくみていきましょう。
シャンプーを見直す
頭皮のにおい対策には、シャンプーの見直しが有効です。高機能なシャンプーを使用していても、頭皮状態に適していなければ、頭皮環境が乱れる可能性があります。
シャンプー剤は、大きく分けて以下の3種類に分類されます。
【シャンプーの種類と効果】
種類 | 特徴 | おすすめ肌タイプ |
アミノ酸系 | ・洗浄力はやや弱めで刺激が少ない ・優しい洗い上がり | 薄毛が気になる方や普通肌、敏感肌の方 |
高級アルコール系 | ・洗浄力が強く、刺激も強い ・すっきりとした洗い上がり | べたつきが気になる脂性肌の方 |
石鹸系 | ・洗浄力は強めだが、刺激は少なめ ・髪がパサつきやすい | しっかり洗いたいが刺激は抑えたい、敏感肌や普通肌の方 |
頭皮の乾燥が気になる場合、ヒアルロン酸やグリセリンなどの保湿成分が配合されたシャンプーを使用するのも効果的です。シャンプー選びが難しい場合、専門クリニックで頭皮の状態を確認してもらい、アドバイスを受けるのもおすすめです。
正しい方法でシャンプーをする
正しい方法でのシャンプーが、頭皮のにおい対策に役立ちます。シャンプーによる適切なケアで、外的刺激や生活習慣の乱れによって過剰分泌された不要な皮脂を取り除けます。
正しいシャンプー方法の手順は以下のとおりです。
- シャンプー前のブラッシング
- 予洗い(シャンプーをつける前にお湯で洗う)
- シャンプー
- マッサージ
- すすぎ
- リンスやコンディショナー
- すすぎ
シャンプー前のブラッシングや予洗いは忘れがちな項目ですが、シャンプーの効果を高める重要な工程です。
シャンプーは十分に泡立て、爪を立ててこすらず、優しくマッサージするように洗いましょう。シャンプーやリンスなどの成分の残留は頭皮トラブルにつながるため、すすぎは念入りに行うと安心です。
濡れたままの頭皮と髪は雑菌が繁殖しやすくなります。シャンプー後は自然乾燥を避け、必ずドライヤーで乾かしましょう。
生活習慣を見直す
生活習慣を見直し、規則正しい生活を送るのも頭皮のにおいを防ぐ方法のひとつです。
食事や睡眠などの生活習慣によって、頭皮の皮脂の分泌量は変動します。皮脂が過剰に分泌されるのを防ぐために、規則正しい生活を心がける必要があります。
生活習慣の見直しとして気をつけたい項目は以下のとおりです。
- バランスの取れた食事
- 良質な睡眠
- 適度な運動
- 定期的なストレス発散
脂質の多い食べ物の過剰摂取は避け、タンパク質やミネラル、ビタミン類を積極的に食事に取り入れましょう。
睡眠時間の確保だけでなく、早寝早起きを心がけた良質な睡眠が大切です。
厚生労働省によると、健康のために、軽く息がはずみ汗をかく程度の運動を週合計60分以上行うことが推奨されています。

引用元:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」P9
無理のない範囲で適度に運動する習慣を身につけ、ストレスは溜めこまず定期的に発散するようにしましょう。
クリニックで相談する
頭皮が臭いのが気になる場合、クリニックへ相談してみるのも有効な手段です。頭皮の臭いは、皮脂が過剰に分泌されているサインであり、皮脂量は頭皮環境と深くかかわっています。
クリニックに相談すると、頭皮の状況や生活習慣、ヘアケア方法を聞き取りながら原因の追求や改善に向けてた提案をしてくれるでしょう。
頭皮が臭い状態で放置していると、頭皮環境がさらに悪化し、薄毛のリスクが高まります。
頭皮のにおい対策をしても症状の改善がみられない場合は、早めに専門クリニックで相談しましょう。