髪の毛はあらゆる繊維の中でも非常によく水分を吸収します。
相対湿度65%の各繊維の水分率は、ナイロン4.0%・木綿7.0%・絹11.0%・羊毛15.0%・髪の毛13.0%となっています。
毛のタンパク質は水になじみ易い性質を持ち、毛に染込んだ水分を吸収していきます。
毛を作り出すために大切な毛母細胞は、毛の産生時に水分を失いながら角化します。
髪の毛を洗った直後には毛に30%ほどの水分を蓄え、時間とともに水分が失われ元の水分率に戻る事になりますが、洗髪以外でも毛の水分量は変化し、雨の日は特に周囲の湿度の影響で多く水分を蓄えることとなります。
逆に、冬場の乾燥した空気であれば水分量は減少し、通常の保水率である13.0%を下回るようになります。
特に傷んだ髪の毛は空孔と呼ばれる水分の保持されていた隙間が大きくなるため、吸収性が高く、雨の日には水分過多でしっとりとべたつき、冬場にはひどく乾燥する場合があるのです。
水分を吸収して軟らかくなった髪の毛は膨張し、うねりなどの癖を出す事でまとまりづらくなるため、雨の日のヘアセットが上手くいかない原因となります。
傷んだ髪の毛ほど水分吸収率が良く、うねりの原因や極度の乾燥を起こしやすい髪質だといえるでしょう。