- 妊活中だけどミノキシジルを使用しても大丈夫?
- 子作りをする場合、ミノキシジルの使用をやめないといけないのだろうか
AGA(男性型脱毛症)の治療を検討する中で、このような疑問や悩みを抱く方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ミノキシジルが妊活中に与える影響やミノキシジル以外のAGA治療薬と妊活との関連性などを詳しく解説します。妊活中でも安全にミノキシジルを使用したいと考えている方は、参考にしてください。
なお、そもそもミノキシジルがどんな薬なのかについては、「ミノキシジルとは?効果や副作用、使い方や注意点を解説」に詳しく記載しているため、そちらもあわせてご覧ください。
男性のミノキシジルの使用は妊活(子作り)や胎児に影響する?
現在、男性が妊活中にミノキシジルを使用しても、男性不妊の原因となる性機能の低下などの副作用は確認されていません。また、妊活中の男性がミノキシジルを使用しても、精子を作る機能への影響はなく、胎児に奇形が起こる「催奇形性」のリスクは低いといわれています。
これは、ミノキシジルが他のAGA治療薬と違い、男性ホルモンに作用するタイプの医薬品ではないためです。
日本皮膚科学会が公開している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」でも、AGA治療に対してミノキシジル外用を強く勧めています。
女性のミノキシジル使用は、注意を怠ると危険も
ミノキシジルは、女性も使用が可能な治療薬です。ただし、妊娠中や授乳期の使用については安全性が確認されていないため、現在妊活中で近いうちに妊娠の可能性がある場合には使用をやめましょう。妊娠初期には、母体から胎児へ何らかの影響を与える可能性があります。
また、出産後であっても、授乳期にミノキシジルを使用すると、成分が母乳へ移行することがわかっています。母乳を通して乳児がミノキシジルを摂取してしまう恐れがあるため、内服薬・外用薬ともに使用を控えてください。
なお、ミノキシジル外用薬は、妊娠中や授乳期でない場合でも注意点があります。それはミノキシジルの含有濃度です。
国内のガイドラインでは、女性にはミノキシジル濃度1%が推奨されています。これは、男性の場合使用できる5%だと濃度が高いため、副作用のリスクが上昇する可能性があるためです。
市販の外用薬にはミノキシジル1%の商品があるので、女性はこちらを選んでください。商品の選び方に不安がある場合は、薬剤師に相談するとよいでしょう。
また、その他にも心配な点がある場合は市販薬を購入するのではなく、クリニックの専門医に相談しながら治療を進めていくのが安全です。
フィナステリドやデュタステリドは妊活(子作り)に影響する?
ミノキシジル以外の代表的なAGA治療薬には、プロペシアとそのジェネリック医薬品のフィナステリド、ザガーロとそのジェネリック医薬品のデュタステリドがあります。
これらの薬は、ミノキシジルと異なり、発現率は高くはありませんが、性機能障害を生じる可能性があるため、妊活中の男性は注意が必要です。
また、この4つの薬は、いずれも女性や子どもの服用および接触を禁忌としています。特に男児を妊娠中またはその可能性のある女性が服用すると、胎児の生殖器に異常を起こす恐れがあると警告されています。
詳しくは、それぞれの治療薬の記事にまとまっていますので、そちらもあわせてご覧ください。
参照:プロペシアとは?副作用や服用の注意点について解説
参照:ザガーロとは?効果・副作用・ジェネリックをわかりやすく解説
AGA治療中に妊活をする際の注意点
AGA治療中に妊活をする際の注意点は、下記の2つです。
必ずクリニックで相談すること
妊活中にAGA治療するときには、クリニックへの事前相談が重要です。性機能低下や胎児に奇形が生じてしまうリスクをあらかじめ回避することができます。
また、クリニックにご相談いただければ、妊活とAGA治療のスケジュール調整・薬の影響の定期的なチェック・特定の薬が使用できない場合の代替療法のご提示など、医師からご提案させていただくことも可能になります。
専門的なアドバイスをもとに、安心できる最適な方法で、AGA治療と妊活を両立することが大事です。
正しい方法で使用すること
妊活中にAGA治療薬を使用するときには、正しく服用することが大切です。
より育毛、発毛効果を得ようとして自己判断で薬の量を増やすと、副作用が大きく現れる恐れがあります。場合によっては妊活に悪影響を及ぼすことになりかねません。
妊活は男性だけではなく女性とともに行うため、AGA治療と並行する際には健康面に気をつける必要があります。
また、薬の効果を最大限発揮させるためにも、正しい方法での服用が重要です。医師の指示に従って用法用量を守るようにしましょう。